2012年06月15日 15時00分

ミドリムシが持つ「災害食」の可能性

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災害時の栄養補給としての活用も期待されているミドリムシ(ユーグレナ)

 近年、微細藻のミドリムシ(学術名ユーグレナ)が脚光を浴びている。配合食品やサプリメント、化粧品などが発売されているほか、4月からはバイオ燃料としての利用法も検証された。さらに、東日本大震災を機に“災害時の栄養補給”としての可能性も見直されている。

 ミドリムシは水と空気、太陽があれば成長するほか、人間が生きていくために必要な栄養素を持っている。ビタミン、ミネラル、アミノ酸など、含有する栄養素は59種類。人間が生きていくために必要な栄養素の大半を持っているため、栄養失調が問題となっている途上国での栄養補給としてはもちろん、砂漠化や人口増加などにより懸念される食糧難にも対応する“未来食”としても期待されている。

 東日本大震災から3ヶ月後、テレフォニーダイレクトからサプリメント『みどりむし59フコイダン』が発売された。同商品は栄養素が豊富なミドリムシと免疫活性作用や抗酸化作用などが期待されているフコイダンを組み合わせたもの。ミドリムシとフコイダンについての書籍も注目を集めており、“バイオレスキュー”という別名を持つ。

 震災後、被災者の栄養管理が問題になっている。食事が満足に行き届かない、栄養のバランスが悪い等の状況を知った同社は、必要な栄養素を効率よく摂取でき、空腹感もまぎれる同商品を災害時に役立てられないか思案。企業を対象に、同サプリメントを備蓄用災害食として訴求し、5本につき1本を被災地に送る「レスキューパック」の販売を開始した。

 現在、福島の大熊町役場の仮設住宅などに支援ボトルが届けられている同商品は「1人1ボトルで約1ヶ月分の栄養補給ができる」(同社)うえに水さえあれば簡単に飲むことができ、子どもから高齢者まで簡便に栄養を摂取できる。また、常温・中長期保存が可能でかさばらないため、避難袋に入れておくアイテムとしての活用が期待される。

  “食事をとった”という気分にはなりにくいものの、食料が届かない可能性がある災害時、ミドリムシの持つ力をどのように活かすか、今後も注目だ。

『みどりむし59フコイダン』オフィシャルサイト
書籍『がん、放射能から守る!ミドリムシとフコイダン』(木楽舎)紹介ページ
今週の流行りモノ『今話題のミドリムシでダイエット』

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