2012年07月09日 10時13分

熱中症・暑さ対策で人気 冷却グッズは“使い分け”が大切

熱中症対策、効果的なアイテムは…? (C)ORICON DD inc. [拡大する]

熱中症対策、効果的なアイテムは…? (C)ORICON DD inc.

 日に日に熱さが増しいよいよ夏本番。“節電の夏”を心がけつつ、熱中症にも注意したいところだ。今年もすでに多数の冷却グッズが発売されているが、熱中症予防活動に力を入れている横浜国立大学の田中英登教授はグッズによって目的に違いがあることに触れ、「“熱中症対策として”“暑さ対策として”など、上手な使い分けで節電の夏を乗り切りましょう」と話す。

 田中教授は30代男性3名に対して気温35度・湿度60%の環境下(人工気象室)で氷と水を入れて使うアイスバッグ、冷却シート、シャツにスプレーする冷却スプレー、扇風機を使う検証実験を実施。サーモグラフィー上の温度変化と体感温度の自己申告評価を記入してもらい、効果を検証した。

 それによると、実際にサーモグラフィー上で熱が下がったのはアイスバッグや冷却スカーフ。特に、アイスバッグは使用直後から15分間効果が持続し、皮膚温の低下も認められたという。冷却効果・体感評価・快適性を総合判断すると、アイスバッグがもっとも“熱中症対策”としての活用に向いていた。

 一方、冷却シートはサーモグラフィー、体感評価ともに、冷却直後はもっともスコアが高かったが、暑い場所ではアイテム自体の温度が上昇。冷却効果の持続性は低かった。冷却スプレーは体感評価では冷涼感が続くものの、サーモグラフィー上では熱を下げる効果がみられなかったという。これらは“暑さ対策”としての活用が向いているようだ。

 消防庁によると、2011年に熱中症救急搬送者が急増したのは東京が初の真夏日を迎えた6月22日から。前日は124人だったのに対し、同日は492人を搬送している。熱中症は体調にも左右されるため、体感で“まだ大丈夫”と思うのは禁物。こまめな水分補給と体温調節サポートで熱中症対策を行ったほうがよいだろう。

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