2012年11月16日 12時00分

50億本売上げの『コカ・コーラ ゼロ』、その理由を聞く

『コカ・コーラ ゼロ』左/500mlPET・147円、右/350ml缶・120円 [拡大する]

『コカ・コーラ ゼロ』左/500mlPET・147円、右/350ml缶・120円

 消費者の健康に配慮した炭酸飲料の発売が相次ぐ昨今。そのなかでもカロリーゼロ・保存料ゼロ・合成香料ゼロを特徴とし、ゼロカロリー炭酸で業界最大手のポジションを築いているのが『コカ・コーラ ゼロ』だ。今年11月、コカ・コーラ社は、同ブランドが2007年6月の日本での発売から5年間で累計販売本数50億本を突破したと発表した。担当者のコカ・コーラTMグループシニアマネジャー・助川公太氏でさえ「思った以上でした」と語るこの販売本数。ここまで消費者に受け入れられた理由を聞いてみた。

■ブランド力を活かしつつ、重ねた改良

 「『コカ・コーラ ゼロ』は、世界で一番価値のある“コカ・コーラ”のブランドを背負ったゼロカロリーの炭酸飲料。それが、他社が何をしても真似できない強みだと思います」と語る助川氏。そのブランドを背負うに足りる製品として完成させるため、糖分とカロリーに加え保存料と合成香料もゼロにするなど改良を重ねてきた。「2007年の導入時に起こっていた緑茶や水、無糖飲料のブームや、より余分なものは摂りたくないというニーズに合わせて進化を続け、09年に保存料を、そして10年には合成香料をゼロにしました」(同)。

 さらに導入時、消費者に飲んでもらう活動に特化したことも、販売本数につながったと助川氏は分析。「“飲まず嫌い”の人に対し、とにかく美味しさを味わっていただくサンプリングを行ったり、全国の販売会社であるコカ・コーラボトラーズとの協働で、店頭や自動販売機でも積極的に展開。できるだけ多くの人に飲んでもらえる機会をあらゆる手段でつくったことが、現在の規模にまで成長した礎なのではないかと思います」。消費者に寄り添い、なおかつ味にも妥協することなく改良した結果が、50億本の突破へ結びついたのだ。

■斬新な試みも、地道な取り組みも行う熱意

 今年6月には、『コカ・コーラ ゼロ』と明治の『カール』とのコラボレーションにより誕生した商品も発売された 。また、主婦向けメディア『ESSE』のサイト上では、『コカ・コーラ ゼロ』に合うデザートやスナックなどのレシピを紹介している。この試みの成果について助川氏は、「家庭内でも飲んでいただける機会が増えたので、販売本数拡大への寄与は大きかったと思います」と語る。

 今後は、トクホ製品の相次ぐ登場により、ますます活性化する炭酸カテゴリーの状況をうまく活かすという。さらに「多くの人の支持のおかげで、5周年で50億本突破という区切りをつけることができました」と感謝を述べつつ、決意も新たにした。「これから10周年を迎える時には、それ以上のペースで皆さんに飲んでもらっている飲料として成長しているよう、導入時と同じくらいの力を使い、もう一度“コカ・コーラ”というブランドを背負う『コカ・コーラ ゼロ』の良さを試してもらう機会を、あらゆる場所でつくる努力をしていかなければいけない」(同)。現状に満足することなく走り続ける『コカ・コーラ ゼロ』。5年後、10周年を迎える時の販売本数にも注目だ。

●「累計販売本数50億本」は同社調べで、1本8オンス(約237ml)換算としている。

『コカ・コーラ ゼロ』公式サイト

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