2010年06月01日 17時00分

音楽鑑賞、リラックス効果はイヤホンよりスピーカーに軍配

医学博士・加藤俊徳氏監修のもと行った“音楽とリラックス”についての実験の様子  [拡大する]

医学博士・加藤俊徳氏監修のもと行った“音楽とリラックス”についての実験の様子 

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 スピーカーで音楽を聴くと、イヤホン(ヘッドフォン)使用時と比べて耳や脳への負担が少なく、結果的にリラックス効果が高くなることが、パイオニア社の実験でわかった。“脳番地理論”で知られる医学博士の加藤俊徳氏監修のもと行われた実験では、スピーカーでの音楽鑑賞は、聴覚から脳に届く情報を集積させる「聴覚系脳番地」の酸素消費と、コミュニケーションを通じて意思疎通を行う「伝達系脳番地」の負荷が、イヤホンと比べて少なかったという。

 同実験ではまず、被験者に指定の文章を5分間携帯電話に打ち込ませて「伝達系脳番地」にストレスを付与。その後6分間音楽を流し、音楽がもたらすストレス軽減効果について調査を行った。その結果、音楽が流れることにより脳の活動が「聴覚系脳番地」にシフトして「伝達系脳番地」の働きが軽減され、安静時と同じような状態にまで回復した。

 音楽にリラックス効果があることは実証されたものの、イヤホンを装着して音楽を聴く前と聴いて3分経った後の脳の状態は「聴覚系脳番地」と「伝達系脳番地」の両方に強い酸素消費が起こっていた。特に、聴覚系脳番地の酸素消費量をスピーカー使用時と比較すると、3分間で4倍もの違いがあったという。

 加藤俊徳氏は今回の実験結果を受け、「イヤホンは直接耳に触れるので音楽にすぐに集中したい時は効果があるが、音楽への接し方の自由度は比較的低い」と述べ、「それに対し、スピーカーは空間に広がる音の中から選択するので自由度が高く、気分転換になったり、リラックスできるのだと考えられる」と結論付けている。

 加藤氏が提唱する“脳番地”とは、脳内にある運動や言語、思考、感情、記憶などを機能別に大きく8系統に分けたもので、「それぞれの役割の自陣で脳番地ごとに機能しながら、形も植物の枝と葉のように成長していく」とされている。

 同実験の結果は同社が運営するWebサイト『ライフスタイルネット』に掲載される。

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