2011年05月26日 12時30分
みうらじゅん&いとうせいこう 『見仏』のすすめ
みうらじゅん&いとうせいこう出演『テレビ見仏記傑作選』が関西テレビ放送で毎週水曜深夜1時58分〜放送中 (C)ORICON DD inc.
“仏友(ぶつゆう)”のみうらじゅんといとうせいこうが各地の仏像を紹介して歩く人気番組『TV見仏記』。2001年にCS放送「関西テレビ☆京都チャンネル」(2009年に終了)で番組が始まり、その後関西テレビが『新TV見仏記』として制作を引き継いで放送10周年を迎える。軽妙なトークが繰り広げられる二人の“見仏珍道中”。「面白い話を奉納している気持ちもある」と二人はいう。
番組が長く支持されているのは、なんといっても仏像を目の前にした二人の感想や反応の面白さにある。ところが…。「仏像を前にしてコメントするのは、すごく難しいんですよ。緊張します」とみうら。いとうも「視聴者には楽しんでもらいたいから、不謹慎にならない程度に面白く、知識も盛り込んだコメントをするというのは、まさに修行です」。
「トンチンカンなことを言って、不愉快にさせてしまい『お帰りください』という雰囲気にしてしまったことが初期の頃は、よくあった」(いとう)
「住職さんに『この人は仏像のことをわかっている』と思わせないといけない。10年経って、だいぶうまくなってきた。『初転法輪(しょてんぽうりん)か…』と、仏教用語を駆使して、相手が気を許した隙に面白いことをしゃべる作戦」(みうら)
「釈迦のこともわかっていると思わせといて、“ぽうりん(フォーリン)ラブ”」(いとう)
「で、“LOVE注入”につながっていく(笑)」(みうら)
見仏を楽しむ秘けつは「二人で行くこと」。気の合う相方と一緒の方が2倍、3倍と話が拡がって楽しめるのは『TV見仏記』で実証済みだ。彼らを虜にする仏像の魅力は何なのか。
いとうは「僕の場合は仏像が一体、一体、全部違うところが面白いし、思いがけないところで以前、どこかで見た仏像とのつながりに気付いたりして、番組が始まって10年経っても、いつも新鮮。だからハマれたんだと思う」。
小学生の頃から仏像に魅せられてきたみうらは「仏像にまつわる伝説も面白い。事実じゃないかもしれないけど、伝わってきたことは事実。そういうのも含めて仏像だから。興味が尽きない」という。
今回、10周年を記念して、過去に放送された神護寺の国宝をはじめ数々の秘仏を訪ねる「京都編」と興福寺の阿修羅像などに迫る「奈良・班鳩編」を収録したDVD2枚組に、特製Tシャツを同梱したスペシャルパックが5月27日より発売される。二人に影響されて実際に見仏に訪れたくなった人へ、“見仏”のアドバイスを求めると、いとうは「自由に見て感じればいいと思う。“誰かさんに似ている”と思ったら、それでもいいんじゃない?」。
みうらも「国宝の仏像よりも、何の指定も受けていない仏像の方がいいと思うこともある。先入観を取っ払って見るのが一番。わからないことはわからないままでいいから、仏像に出会ったその時どきを楽しんでほしい」とテレビの収録でなければ、ハードルはかなり低い。
仏像のこととなると、子供のようにはしゃぎながら話す二人。その仏像への深い愛情と長年培ってきた知識、仏への畏怖を忘れない真摯な姿勢を貫きながら、番組は続く。
現在、『テレビ見仏記傑作選』が関西テレビ放送で毎週水曜深夜1時58分〜放送中。『TV見仏記10周年記念 新TV見仏記特製Tシャツ&DVDパック(初回限定版)』(発売元:関西テレビ 販売元:TCエンタテインメント)は7350円(税込)
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