2013年01月08日 10時00分

<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>しみる歯の新真実

食後の歯磨きは“タイミング”も大切! [拡大する]

食後の歯磨きは“タイミング”も大切!

 朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送)とORICON STYLEのコラボ企画 “おさらいニュース”が今回取り上げるのは、誰もが気になる“歯のトラブル”。冷たいものや甘いものがしみる新事実に迫る。

 テレビのCMなどでも放送され、すっかり耳なじみの言葉となった「知覚過敏」。何らかの原因で冷たい水などの刺激に歯の神経が過剰に反応し、しみるような痛みを感じる状態のことで、日本人の70%以上が経験したことがあるという。その痛みの原因は歯の表面が穴だらけになっているというのだが、それはどのような状態か?

■知覚過敏の歯と健康な状態の歯の表面の違い

 歯はエナメル質と呼ばれるダイヤモンドに匹敵する硬さを持つ物質と、その下にある象牙質と呼ばれるやわらかい組織、そして神経や血管が走る部分の3層で構成されている。象牙質には、栄養を取り入れるための象牙細管と呼ばれる小さな管が無数に走り、通常、この象牙細管はエナメル質に覆われ外に出ることはない。

 しかし、エナメル質は酸に弱く、レモン汁のような酸を多く含む液体に長期間さらされ続けるともろくなり剥がれやすい状態となる。すると、下層にあった象牙質が剥き出しになり、象牙細管が歯の表面にさらされてしまうことが。この剥き出しになった象牙細管を通して、冷たい物などの刺激が神経に直接伝わり“歯がしみる”のだ。

 歯の専門家である岡山大学大学院・医歯薬学総合研究科の吉山昌宏教授は知覚過敏の歯は「1000分の1mm位の小さな穴が無数にあいている」と語る。健康でしみない歯の表面を約1000倍に拡大してみると、歯の表面は多少デコボコしているが穴のようなものは全く見当たらず、一方のしみる歯の表面には無数の穴が見受けられる。これこそが、剥き出しになった象牙細管の穴。これでは痛みがあって当然というわけだ。

 では歯のエナメル質を剥がれやすくする酸は、どのような食べ物に多く含まれているのだろうか?今回の調査によると、100項目の食品のうち74項目が酸性と判明。 私たちの歯は、知らず知らずのうちに酸にさらされ続けているともいえる(※今回の調査ではpH6.0未満を酸性と判断/下図参照)。


■食後の歯磨きは大切! でも何分後がベスト?

 食べ物がもつ酸だけが知覚過敏の要因ではなく、食事の後の歯磨きの仕方にも注意が必要だという。食事の後は酸によって歯のエナメル質が最も脆くなっている状態。そんな時にゴシゴシと強く歯磨きをしていると、長年の間にエナメル質が薄くなってはがれ、穴だらけの状態を招く危険性がある。

 通常、口腔内の唾液には歯を守る働きがあり、1つは酸を中和する中和作用で、食事の後は口の中を酸性から安全な中性に戻してくれる。そして、もう1つは軟らかくなったエナメル質を再び硬くする“再石灰化”。唾液に含まれるリンやカルシウムなどの成分で作られたアパタイト結晶により、歯の穴(象牙細管)を塞いでいく。

 食後に唾液が働き、歯が安全な状態に戻るまでには少なくとも15分程度はかかると考えられ、毎食後は15分程度経ってから優しく歯磨きをすることが大切だという。また、唾液の量も、唾液腺の衰えや薬の副作用、ストレスなど様々な理由で年齢を重ねるほど減ってくるとも言われている。唾液の分泌量を増やすためにも、よく噛んで時間をかけた食事と、歯に負担をかけない歯磨きも心掛けたい。


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