2013年10月08日 11時00分
<『みんなの家庭の医学』おさらいニュース>国民病「腰痛」の陰に隠れた病とは?
セカンドオピニオンを活用することで、自分の意思でより良い医療を選択できる!
病院に通っているのに、なかなか症状がよくならないと悩んでいる人も多いのでは? 今回のORICON STYLEと朝日放送『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(毎週火曜午後8時放送)のコラボ企画“おさらいニュース”では、主治医以外の医師に意見を求める「セカンドオピニオン」を利用し、長引く腰痛の原因を解明した症例について紹介する。
■なかなか治らない腰痛と足の痛み…その原因とは?
日本人の約2000万人が悩まされているという腰痛だが、原因や痛みの出方は様々。腰の痛みに加え、太ももやふくらはぎといった下半身に、しびれや激痛を伴うケースも少なくないという。
今回紹介するIさん(50代男性)もその一人。仕事中に腰痛を感じるも、「湿布でも貼っておけば、よくなるだろう」と軽く受け止めていたが、数日後には腰痛だけでなく、左足に痛みとしびれを感じたため近所の整形外科を受診。レントゲン検査を受けた結果『腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)』と診断された。これは加齢などで薄くなった椎間板(ついかんばん)が、腰椎を支えきれなくなり腰椎が変形する病で、次第に神経を圧迫し、腰痛のほか足の痛み・だるさ・しびれなどの症状が現れる。
神経の血流を良くする薬と、傷ついた神経の修復を助けるビタミン剤を服用し、一時的な回復がみられたIさんだが、足のしびれと痛みはどんどん酷くなり、1ヶ月後には歩くこともままならないほどに悪化。再び整形外科を訪れ神経ブロック注射を行うが、その翌日には自宅から50メートルほどのところで歩くことができなくなってしまった。
■腰痛の陰に隠れていたもう1つの病とは?
Iさんは、腰痛治療の専門医・佐藤良治医師(日産厚生会玉川病院副院長 整形外科部長)のもとを訪れセカンドオピニオンを受けることに。先生は問診やMRI、触診などから足の脈拍が弱いことを確認。詳しい検査の結果、『閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)』と診断した。
この病は高カロリーの食生活や喫煙などが原因で足の血管の動脈硬化が進行し、血液が流れにくくなり、十分な血流が保てなくなってしまう。最悪の場合、血流不足から足の潰瘍や壊疽(えそ)、切断の可能性もある。特徴的な初期症状は歩くと足が痛くなり、だるさやしびれを感じることで、この症状は脊柱管狭窄症の症状とほぼ同じ。Iさんの場合、2つの病気を併発していたが、現在は食生活に気を配りながら投薬治療を続け、以前のような生活を取り戻している。
腰痛や頭痛、息切れといった身近な症状でも、主治医以外の専門医に意見を求めることで不調の改善や、ときに予想もしていなかった重大な病気が見つかることもあるセカンドオピニオン。持病と諦めずに原因解決できる方法として活用してみては。
※セカンドオピニオンは、主治医からの紹介状が必要で、自費診療が原則となります。
「みんなの家庭の医学」番組HP