PCゲーム『グリザイア』シリーズ初の舞台化作品『グリザイア:ファントムトリガー THE STAGE』が2日、東京・飛行船シアターで公演初日を迎えた。本番前には報道陣向けのフォトコールやゲネプロも行われ、キャスト陣は開幕に向けてみなぎる熱量や気合いをにじませた。 1966年の設立以来、ミュージカルや舞台を中心にさまざまな作品を生み出してきた劇団飛行船が主催する本作は、国防を担う人材を育てるSORD(ソード)訓練校“美浜学園“を舞台に、銃や諜報活動を学んだ女子学生たちの学園生活と、彼女たちに課された裏任務が描かれる、切なくも力強いストーリー。きょう2日から6日まで、飛行船シアターで上演される。 冒頭から迫力のあるアクションが繰り広げられ、シーンは目まぐるしく転換。不穏なストーリーのイントロを描き出した。そして、ステージ全体を囲う映像演出とともにキャスト陣が歌唱とダンスで魅せる“オープニング”をはさみ、キャラクターたちのシリアスなバックボーンが次々に明かされていく。 一方で、コミカルな会話がキャラクターたちの日常の一面を垣間見せ、キャスト陣が勢いそのままに客席側を練り歩く舞台ならではの演出もあった。また、公演ごとのスペシャルゲストにフィーチュアする場面も。この日のゲネプロには反田葉月が参加し、『D4DJ』内ユニット・Lyrical Lilyの「吾輩よ猫であれ」を急きょパフォーマンスするサプライズもあった。 悲惨な歴史を持つキャラクターたちだけに、こうした軽快な交流が中盤以降のストーリーへの緊張感を一層高める。物語の進行に呼応して銃撃戦の激しさは増していき、舞台版ならではの表現方法によって圧巻のクライマックスを迎えた。