4分に事故1件!! 今こそ知ろう【自転車保険】の基礎知識

自転車の”安全運転講習の義務化”は、大人に対する教育が拡大する一つのきっかけとなる? [拡大する]

自転車の”安全運転講習の義務化”は、大人に対する教育が拡大する一つのきっかけとなる?

今回のトピックス
【1】2015年6月から危険行為繰り返す運転者に“自転車の安全運転講習”を義務化
【2】信号無視や遮断踏切立入など14の「危険運転」を規定

 自転車は幼児から高齢者まで、年齢問わず幅広い層に活用されている乗り物。特に東日本大震災では電車など公共の交通機関が大混乱したことから、通勤や通学での移動手段として改めて注目され始めた。排気ガスなどを出さない環境に優しい乗り物としての人気も高い優れものだ。

 ただ、一定以上のスピードが出るだけに、「事故」のリスクは常に付きまとう。道路交通法上では、自転車は「軽車両」の扱いだ。警察庁の発表によると、2014年に発生した自転車事故は約12万1000件に上り、自動車事故を含めた全交通事故の約2割を占めた。実に約4分20秒に1件の割合で、自転車事故が発生している計算になる。

 自転車事故の発生原因には、安全の不確認や一時停止違反、信号無視など、運転手が交通ルールを守らないことによるものが多い。自転車事故を起こした運転手の約6割に、走行上の法令違反が認められるという。また、「自転車は軽車両」という認識がなかったり、(1)車道走行が原則で歩道は例外、(2)車道や路側帯は左側を通行、(3)歩道は歩行者優先で車道寄りを徐行、(4)飲酒運転や二人乗りは禁止――など、自転車運転上の基本ルールを知らない人も少なくない。

 自転車事故の撲滅には、正しい交通ルールの徹底と運転者の安全運転に対する意識の向上が不可欠だ。こうした中、自転車事故を発生させる危険がある運転を繰り返す人に対して、安全講習(自転車運転者講習)の受講を義務付ける法律が、2015年6月から施行される予定だ。

 2013年6月に公布された改正道路交通法(一部は同年12月に施行)で、「2年以内に自転車の危険な運転を防止するための講習に関する規定の整備をする」と決定したことを受けて、今年11月27日に警察庁から安全講習の対象となる「危険行為(案)」が発表された。

 「危険行為」とされたのは、信号無視や遮断踏切立入り、一時停止違反に加えて、酒酔い運転やブレーキのない自転車での走行、安全運転義務違反など14項目。中でも「安全運転の義務の規定に違反する行為」と定められた項目では、スマートフォンや携帯電話を操作しながらの運転や音楽を聴きながら走行することなども対象になると考えられている。実際、“ながらスマホ”による事故は、自転車だけでなく、自動車運転者や歩行者でも発生しており、安全運転教育をする意義は大きい。

 改正道交法で義務化される安全講習は、14項目に該当する危険運転を繰り返して、3年以内に2回以上検挙された運転者が対象。講習は3時間の予定で、教本や視聴覚教材が用いられるうえ、自転車の運転の適性調査に基づいて個別指導が行われる可能性もある。受講命令に背いた場合は5万円以下の罰金が科せられる。

 警察庁では、この危険運転の防止を目的とする「自転車運転者講習」に対してのパブリックコメント(国民からの意見募集)を12月27日まで受け付けている。

 これまで自転車の安全運転教育は、警察庁や学校が中心となって小中学校や高校を対象に実施しているものが多く、大学生や成人、高齢者に対する教育はほとんど行われていなかった。今回の安全運転講習の義務化は、危険行為を繰り返した運転者が対象で限定的はあるが、今後「大人」に対する安全教育が拡大する一つのきっかけとなるかもしれない。

(文/高見和也)

【ライタープロフィール】
自転車保険のほか、自動車保険や生命保険など、保険関連について幅広く執筆。専門サイト保険net新聞を運営

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