自転車通勤には法人で加入する自転車保険

  • 自転車通勤には法人で加入する自転車保険

 近年の健康志向の高まりをうけて、自転車で颯爽とオフィス街を駆け抜けていくサラリーマンをよく見かけるようになりました。自治体や企業が自転車通勤を推奨するケースもあり、通勤に自転車を利用する人が増加しています。しかし、通勤中に従業員が自転車事故の当事者となってしまったら企業はどのように対応したらよいのでしょうか。そこで、今回は自転車通勤者がいる企業におすすすめの自転車保険についてご説明します。
 近年急速に増加している自転車通勤者。しかし自転車通勤にともなうさまざまな問題も発生しています。
 警視庁の統計データによれば、自転車事故のうちおよそ半数が朝6時〜10時の通勤時間帯と夕方16時〜20時の仕事帰りの時間に発生しています。したがって自転車通勤をする従業員が自転車事故の当事者となってしまう可能性は十分にあり得るのです。
 業員が通勤中あるいは仕事帰りの自転車事故でケガをしてしまった場合、通勤災害とみとめられる場合と認められない場合があるので注意が必要です。たとえば、子供を保育園に連れてったあと出勤している途中に事故に遭った場合では、通勤の合理的な経路からはずれてしまうため、通勤と事故に因果関係がなく通勤災害としての保険金が下りません。万が一の従業員の自転車事故でのケガに備えるためには、自転車保険に加入しておく必要があるのです。

企業が責任を追及されるケースも

 通勤中の自転車事故の中には、従業員が加害者となり相手にケガをさせてしまう場合もあります。このような場合の損害賠償については、基本的には従業員がその責任を負います。しかし、近年は対人の自転車事故の民事訴訟において数千万という高額な損害賠償を命じられるケースが増加していますから、従業員がその賠償責任を果たせなければ、雇用主である会社が責任を追及されることもあります。

法人で自転車保険に加入する動きが広がっています

 これまで、ほとんどの企業では万が一の従業員の自転車事故について対策を講じていませんでした。しかし、近年任意の自転車保険への加入を義務付けるなどして、自転車通勤を認可制とする企業が増えています。たとえば、世田谷区に本社を置くスポーツ用品メーカー自転車通勤をする従業員に最高2,000万円の賠償付き保険への加入を義務化しました。ただし、このような自転車保険の場合、たとえば荷物の配達に自転車を利用していて事故の当事者となってしまった場合など業務中の自転車事故は、補償の対象後なりませんから注意が必要です。

 また、企業ではありませんが、学校や自治体など組織で費用を負担し、自転車保険への加入を義務付ける事例が増えてきています。たとえば、関西の私立大学では2012年、自転車通学の全学生約1万4000人に最高1億円の賠償付き保険の加入を義務付けました。
 このように、企業をはじめ学校など、自転車を利用する人が多く所属している組織では、組織の危機管理の一環として自転車保険に加入する動きが広がっています。