2015年09月16日 07時00分

誰でもわかる「投資信託」(1) 利益のカギを握るのは誰?

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【図1】投資信託の仕組み

 いきなりだが、「投資信託って何?」と友人に聞かれたら、皆さんは答えられるだろうか。

 投資と言うぐらいだから、一攫千金を狙うイメージもあるかもしれないが、投資信託はどちらかというと将来に備えた貯金などを目的にすることが多く、資産運用や資産形成のために役立つマネー商品といえるだろう。1万円程度から購入できるとあって手軽なうえ、さまざまなメリットもある。上手く付き合えばかなり使い勝手がいいものなので、基礎から紹介するこの「入門ガイド」を通して、ぜひ生活に役立ててほしい。

■仕組みはどんなもの?

 では、投資信託はどういった仕組みなのか。一言でいうと、多くの投資家から集めた資金をひとつにまとめ、運用のプロである投資信託運用会社が国内外の株式や債券などに投資し、得られた利益を分配金として投資家に分配する仕組みだ。値上がりしたところで売れば、売却益も得られる。

■販売するのは「証券会社」や「銀行」

 図1をみてわかるように、投資信託には「販売会社」「運用会社」「信託銀行」が関わっている。

 販売会社は証券会社や銀行で、投資家は証券会社などを通じて投資信託を購入する。金融機関のホームページ(特にネット証券)では、取り扱っている投資信託の情報がたくさん掲載されており、希望に近い投資信託を検索できるシステムが用意されていることも多い。分配金の支払いも販売会社を通じて行われる。

■リターンの鍵を握るのはどこ?

 集まった資金をどの銘柄に、どの程度投資するかなどを検討し、決定するのは「運用会社」である。つまり、リターンの鍵を握っているのは、運用会社なのだ。

 運用会社は、どのような資産(株式や債券など)に、どのような方針で投資するか(成長性の高い銘柄を厳選して投資するなど)といった投資戦略を立てて、投資信託の商品設計をし、販売会社を通じて投資家を募る、というわけだ。運用の状況をレポートなどにまとめるのも、運用会社の役割である。

 リターンの大きさは運用会社の力量によって左右されることが多いため、運用会社は投資信託のキーマンともいえる存在。国内系や外資系、あらゆる資産を扱う会社、投資対象を絞っている会社など、さまざまな運用会社がある。

 「信託銀行」は、投資家から集まった資金を管理し、運用会社の指示に従って実際に株式などを売買する。投資信託の資産(資金や購入した株式など)は、金融機関が保有する資金とはわけて、投信ごとに分別管理されており、関係する金融機関が破綻しても、投資信託の資産には影響しないのだ。

■確定拠出年金でも積み立てられる

 投資信託は確定拠出年金の運用先にラインナップされており、勤務先の確定拠出年金や個人版確定拠出年金で投資信託を積み立てることもできる。

 まとまった資金の運用にも、資産を形成するためにも利用できるので、まずは仕組みを忘れず理解しておくのがいいだろう。

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