2016年03月23日 08時00分

誰でもわかる【投資信託】(13) 気になる「分配金」について紹介!

【図】投資信託で分配金が支払われるイメージ (C)oricon ME inc. [拡大する]

【図】投資信託で分配金が支払われるイメージ (C)oricon ME inc.

 ごくごく基本的なことではあるが、投資信託を保有していると、分配金を受け取ることができる。分配金は、運用によって得られた利益が、投資家に還元されるものだ。

 その金額は投信の運用成績によって左右されるが、成績が良くても分配金を支払わない投信、逆に成績がいまひとつでも分配金が支払われる投信もある。

 そこで今回は、分配金について詳しく見ていこう。

■分配金を出す投信、出さない投信
 投信は年に1回以上、決算を行う。1年間の運用でどの程度の利益が得られたか、コストがどのくらいかかったかなどを明らかにし、運用報告書を作成。投資家に報告する。その際、得られた利益を投資家に還元するのが「分配金」だ。

 投資信託では利益のうち、どのくらいを分配するかについての明確なルールはなく、運用会社の判断に委ねられている。「なるべく多くを投資家に還元しよう」というパターンがある一方で、「分配金の支払いを抑えよう」というパターンもある。

 分配金を支払うためには、投信が保有している資産(株式や債券など)の一部を売却する必要が生じるケースもある。「このまま保有していれば、さらに資産の値上りが期待できる」といった場合には、分配金を払うより資産の保有を続けた方が投資家の利益になるとの判断から、分配金を抑えることもあるのだ。

■分配金が自動的に再投資されるタイプも
 投信によっては分配金を受け取るコースのほか、分配金から税金を引いた後、同じ投信を自動的に買い付ける「再投資コース」を選べる例もある。

 分配金を受け取るメリットは、その時点で利益の一部を確定できること。対して、再投資コースには、さらに大きな利益が得られる可能性があるのがメリットとなる。再投資される分は購入時手数料がかからない。

 基本的に、投資信託は長期で値上がりを追求することを目標に運用されており、株式に投資する投信なら、期待できる銘柄に投資してタイミングをみて売却し、また別の期待銘柄に投資するといった具合に銘柄を入れ替えていく。

 つまり、その時々で有利な資産に投資していくため、資金を引き上げず(分配金を受け取らず)、再投資コースを選ぶ方が大きなリターンを手にしやすい、ともいえる。

 ただし、運用がうまくいかない、市場全体が低迷するなどで値下がりすることもあり、絶対に再投資型がいいとは言い切れないことは知っておこう。

 資産を形成していく段階の現役世代は再投資コース、得られた利益を使いたいリタイア層は分配金を受け取るなど、投資のニーズに応じて選ぶのもよさそうだ。

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