「格安スマホ」満足度ランキング! 2年連続の1位はどこ?

※記事は2017年2月2日にダイヤモンド・オンライン(外部リンク)に掲載されたものです。
  • 【画像】スマートフォン,格安スマホ

 スマホは、いまや生活必需品という人も少なくない。しかし、「使い過ぎで月々の支払いが大変だ」という声も聞く。「もっと、スマホやケータイの料金が安くならないか」と願う人たちにとって、格安スマホの本格普及は朗報だ。

 対前年比65.5%増という勢いで、回線契約数が増えている格安スマホ(MVNO スマホ)について、オリコンは「オリコン日本顧客満足度ランキング」調査を実施し、6314人のユーザーに「加入手続き」「通信速度・安定性」「料金プラン」「初期設定のしやすさ」「保証サービス」などの9項目の評価をしてもらった。

 対象企業は移動体通信の自社回線網や無線局を自社で持たず、ドコモなどの移動体通信事業者から回線を借りてサービスを提供する「仮想移動体通信事業者(MVNO;Mobile Virtual Network Operator)」のうち、自社ブランドとして格安スマホのためのSIMカード(スマホなどで利用者を特定するために記録されたICカード)を販売する事業者25社だ。
 調査の結果、第1位はニフティが運営する「NifMo」で、合計65.84点を獲得し、2年連続の1位となった。2位はビッグローブの「BIGLOBE SIM」(64.51点)、3位は楽天「楽天モバイル」(64.14点)となった。

 NifMoが他社に比べて最も高い評価を受けたのは、「通信速度・安定性」で2位との差が1.82点。次いで「初期設定のしやすさ」(同1.7点差)、「保証サービス」(同1.2点差)、「料金プラン」(同0.85点差)、このほかに、「サポートサービス」「加入手続き」「コストパフォーマンス」も1位となり、9評価項目中7項目でトップという圧倒的な満足度の高さを実証。ユーザーから評価された結果の現れである。

 アンケート調査のコメントを見ると、「安いのにつながりやすい」「思った以上に(回線)速度が速かった」という通信品質に対する評価のほか、「アンケートやショッピングなどで割引になる」といった割引サービスやキャンペーンを支持する声が多かった。
格安スマホには、

(1)スマホにセットして通信サービスを利用するSIMカード(格安SIM)だけの契約
(2)SIMカードをセットするだけで使えるSIMフリースマホの販売
(3)格安SIMとSIMフリースマホのセット契約


 という3種類のパターンがある。

 SIMカードは標準、マイクロ、ナノの3サイズがあり、利用する端末によって形状が異なるため、SIMフリースマホの機種を間違えると利用できない。また、機種も安い物を選ぶと使い勝手があまり良くない。料金プランもデータ通信が基本で、音声通話がオプションになっており、データの容量や通話の利用頻度等によってプランを選ばなければならない。こうした事情を踏まえ、スマホ初心者にとっては格安スマホを選ぶにはハードルが高いと感じる人が少なくないだろう。
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 NifMoは、ユーザーの悩みや不満に応えようと、サービスに注力している。運営するニフティによれば、「格安スマホに興味があるが、よくわからない方、乗り換えに不安を持たれている方、家庭の通信費・固定費を抑えたいと思っている方を対象にわかりやすいシンプルな商品設計を行い、安心できるサポート体制を用意しています」と言う。

 その一例として、NifMoでは対面のサポートサービス「NifMo訪問レクチャー」をオプションサービス行っている。月額480円(税抜)で利用できる同サービスは、24ヵ月以内であれば、初回に限りスタッフがユーザー宅に訪問して、端末の接続・設定などの基本操作説明が60分まで追加料金なしで利用できるというサービス。

 また、同じくオプションサービスの「@niftyまかせて365」では、月額500円(税抜)で、PCのウィルス感染の検知や駆除などの相談から、スマホやパソコン画面を共有しながら、トラブルの解決や使い方を案内するリモートサポートなども実施している。

 さらに、前述のコメントにあったように、多彩な割引サービスもNifMoが支持される要因の1つだ。「バリュープログラム」という独自の還元サービスがあり、ユーザーがネットのアンケート調査に回答したり、ネットショッピングをしたり、アプリのダウンロードを行ったりすることでポイントが貯まり、月額利用料金の割引に利用できる。

 通信速度については、「最も混雑する時間帯を基準に毎月設備の増強を行い、お客様にストレスなくご利用頂けるように努めています」(ニフティ)という。

 こうした真摯な取組みが2年連続1位となった要因のようだ。
 MM総研(旧マルチメディア総合研究所)の調査によれば、2016年3月末時点で格安SIMの契約回線数は539.4万回線(対前年比で65.5%増)となった。同社では今後も拡大が続き、2017年3月末までには820万回線、2018年3月末までには1170万回線に達すると予測している。

 実際に、大手事業者の新規参入も相次いでおり、2016年9月にはLINEが「LINEモバイル」という格安SIMサービスを開始。同サービスは、自社の強みを活かし、LINEアプリの通話やトークが月額500円(税抜)で使い放題のデータ通信プランを提供し、話題を集めた。

 従来通りの大手キャリアのスマホか、新参の格安スマホか……。両者を比べれば、格安スマホの低価格帯はかなり魅力的であり、2年契約などに縛られないというメリットは大きい。しかし、一方では「自分の使い方を見極めて、機種やプランを選ぶ」ことが必須であり、事前知識を持たずに利用した場合、「格安SIMで長電話すると思わぬ高額料金だった!?」、「平日の昼間は格安SIMでは通信速度が基本的に遅くなる」など、思いもよらない不便さに直面することになる。

 これからの格安スマホサービスの事業者も単に安ければいいのではなく、「格安スマホの選び方がわからない」という初心者ユーザーに対するサポートや、わかりやすい料金プラン、機種選びの提案ができるようなサービスの向上が求められることは必至。今後、格安スマホ市場の拡大が見込まれる中で、初心者ユーザーの満足度を高めることがポイントとなるはずだ。

(四つ葉経済記者会ジャーナリスト 吉村克己)
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

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