2016年02月14日 10時00分
1年で5倍になった銘柄も!! 今年注目の「投資テーマ」を紹介
「テーマ株」のなかには1年で5倍になった銘柄も! 取引前にチェックしよう
今年に入り、乱高下を繰り返しながら下落基調を強める株式相場に対して、気をもんでいる人も多いかもしれない。だが、株式投資は「安い時に買って、高くなったら売る」の基本。なので、株価が大きく下がった後は、買いのチャンスというのが原則。買い出動の準備はしておきたい。
ただし、アベノミクス相場のスタート時のような「なんでも上がる」相場は、当面来ないと思われる。銘柄が厳しく選別される相場へと移行しており、銘柄選びの重要性は高まっている。
■注目したい「テーマ株投資」 1年で5倍になった銘柄も!!
そんな中で注目を集めているのが「テーマ株」だ。特定の投資テーマに合致する銘柄や国の政策で恩恵を受ける企業を中心に急伸する銘柄が目立つ。たとえば、2015年に注目を集めた投資テーマ「マイナンバー」の関連銘柄であるFFRI(3692)は、3倍以上の伸びを示し、ITbook(3742)にいたっては5倍近い急伸を見せた。
上昇は比較的長く続くことも多く、うまく乗っていければ大化けも期待できるのがテーマ株投資の魅力だ。ここでは、2016年に注目されそうな3つの投資テーマを紹介しよう。
■政府の成長戦略のひとつ「自動運転」
第1のテーマは「自動運転」。その名の通り、ドライバーが運転しなくても車が自動で運転してくれる技術で、トヨタ自動車が首都高速でデモンストレーションを実施するなど、自動車メーカーや部品メーカーなど多くの企業が参入している。
政府は成長戦略の一つに掲げ、2020年までの公道利用解禁を目指し開発を後押ししている。すでに一部の関連銘柄で急騰する動きはみられるが、今後も十分期待できる息の長いテーマといえるだろう。
関連銘柄の例として、自動運転実現に向けた調査業務を政府から受託したアイサンテクノロジー(4667)、自動運転に必要な加速度センサーに高い技術を持つ北陸電気工業(6989)などがある。また、高い自動運転技術を持つベンチャー企業ZMPは新規上場が近いとされており、同社の動きにも注目したい。
自動運転に欠かせない技術のひとつが、「人工知能(Artificial Intelligence)」だ。人間の知的な活動をコンピューターに肩代わりさせる技術で、AIとも言われる。単なるデータ処理にとどまらず、分析や学習、判断まで可能で、車の運転はもちろんのこと、人間が行う仕事の多くが将来人工知能にとって代わられる日が来るともいわれる。今年1月には、グーグルの関連企業が開発した人工知能が、将棋やチェスよりも難しいとされる囲碁のプロ棋士に初勝利したことが話題となった。
未来の行動を予測する人工知能技術を持つUBIC(2158)、人工知能を使ったビッグデータ分析ツールを提供するホットリンク(3680)などが関連銘柄として挙げられる。
■値動きが激しくハイリスクハイリターンな銘柄も
一方、「一億総活躍社会」は、2015年秋に安倍政権が掲げた「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新三本の矢」と連動して実現を目指す、全員参加型の経済社会のことだ。具体的なプランは2016年春に取りまとめられるが、特に「希望出生率1.8の実現」「介護離職ゼロ」を緊急性の高い目標に設定されている。
この施策に関連して、
・保育や教育、家事支援などの子育て関連
・人材派遣や多様な働き方を促すクラウドソーシングサービス
・介護支援や高齢者見守り
といった事業を手がける銘柄が物色されそうだ。
たとえば、保育所運営を受託するサクセスホールディングス(6065)、介護分野に強い人材サービス会社のエス・エム・エス(2175)、介護ロボットや掃除ロボットで人工知能関連銘柄としての側面も持つサイバーダイン(7779)などに注目したい。
こうしたテーマ株は、関連ニュースで急騰することもあれば反動で急落することもあり、銘柄によってはリスクが高くなることに注意したい。テーマ株投資は簡単ではないが「国策に売りなし」という相場の格言もあるように、政府が後押しするテーマだけに利益のチャンスは大きい。投資タイミングを慎重に見極めた上で、チャレンジしてみる価値は十分あるだろう。
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