2015年06月12日 09時50分

バイク“すり抜け”でトラックと衝突 後遺障害を負った事例紹介

生身で乗る以上、取り返しのつかないケガにつながる可能性が高い「バイク」。運転は慎重に! [拡大する]

生身で乗る以上、取り返しのつかないケガにつながる可能性が高い「バイク」。運転は慎重に!

 自動車に比べ、小回りがきく“バイク”。その特性を生かし、車両間のわずかな隙間をすり抜けて時短を図るライダーも少なくない。だが、これは大きな事故を招く行為であることは覚えておきたいポイントだ。実際に、すり抜けによってトラック2台が巻き込まれる事故が発生し、ライダーが重い後遺障害を負った事例があるので紹介しよう。

<事故内容>
 2005年11月28日午前、東京都千代田区内にある片側4車線の幹線道路のカーブ地点で、第4車線を走行していたトラックと、第4車線と第3車線の間をすり抜けるように走行していたバイクが接触。ライダーはバランスを崩し、第3車線を走行中の大型トラックと衝突、転倒して全身に重傷を負い、重い後遺障害が残った。

<判決>
 ライダーとその母親は、トラック及びトラックを所有する運送会社などを相手取り、治療費や慰謝料など合計約2億590万円を求める訴えを起こした。

 判決では、ライダーの“すり抜け”という危険な運転行為が事故の最大の原因とされた。ただし、トラックのドライバーに対しても「カーブに差しかかった際、安全確認を怠って第3車線側へ寄り、ライダーがバランスを崩すきっかけを作った」と指摘。過失割合はバイク側80%、トラック側20%となり、結果的にトラック側に約500万円の支払いが命じられた。なお、第3車線を走行していた大型トラックに過失はない(2013年2月22日東京地裁判決)。

 事故時、ライダーがすり抜けようとした隙間は、最大でも約1メートルしかなかった。バイクのハンドルの幅だけでも62センチあったため、危険極まりない行為と言わざるを得ない。生身で乗る以上、取り返しのつかないケガにつながる可能性が高いため、バイクを運転する際は慎重であって然るべきだ。

監修/新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

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