250tバイクのために必要な補償とは

 250ccバイクは、運転免許上、普通二輪免許を持っていれば運転することができます。250ccクラスを支える年齢層は“リターンライダー(※1)”と呼ばれる40歳代から50歳代の人たちです。リターンライダーが全体の53%(※2)を占めるユーザーである250ccは、排気量や乗り心地、利便性や経済性などメリットを多く持つタイプのバイクです。ここでは、250ccの魅力とともに、安心なバイクライフを送るためのもしもの時の補償とその考え方を解説します。
 250ccバイクには、ほかの排気量クラスにはない魅力が多くあります。その理由もあって長年ユーザーとなっている人も多い事でしょう。

■車検がいらない

 250ccバイクは、道路運送車両法上は軽二輪に分類されます。251cc以上のバイクは、車検が必要になりますが、250cc以下のバイクは陸運局に届け出て車両番号の指定を受ければ運転することができます。よく比較をされる車検が必要な400cc以上のバイクとは違い車検がないため経済的です。

■高速道路を通行できる

 道路交通法では普通自動二輪として扱われます。日本の高速道路(自動車専用道路を含む)では総排気量125cc超のバイクに乗る場合に走行することができます。車と同様に高速道路を利用することができるため、移動時間の短縮はもちろんですが、遠い場所へのツーリングも計画することができます。250ccは大型バイクに比べエンジンが小さく車体が軽いので初心者や女性でも扱いやすいタイプです。また、高速道路などを走るにも十分な走行性能を備えています。

 高速道路上では基本、最高速度100km/h、最低速度は50km/hの法定速度で走行しなければなりません。なお、標識や標示で最高速度や最低速度が規制されている区間ではその最高速度を超えることだけでなく、最低速度に達しない速度での運転も禁じられています。

■タンデム走行が可能

 2005年に道路交通法が改正され同年の4月1日から高速道路の二人乗り走行(タンデム走行)が解禁されました。ただし、運転者(ライダー)の年齢が20歳以上で、普通二輪免許(50cc超)を取得している期間が通算3年以上必要です。また、首都高速道路の都心環状線など一部区間ではバイクの二人乗り通行が禁止されています。
 バイクを運転するには、自動車損害賠償保障法にもとづき、自賠責保険に加入しなければなりません。事故で他人を死傷させた場合に、自賠責保険の補償内容は人身事故のみの損害が対象となるため、物損事故や本人のケガ等は対象外となります。補償の足りない部分は、任意にバイク保険に加入する必要があります。バイク保険への加入を考える際には、まず、「対人賠償保険」と「対物賠償保険」を基本補償として検討していきましょう。

■「対人賠償保険」「対物賠償保険」(基本補償)

・対人賠償保険(基本補償):無制限

 事故で他人を死傷させてしまった場合に、自賠責保険等の支払額を超える部分について保険金が支払われます。被害者1名につき、契約の保険金額を限度に支払われます。相手方への補償は、裁判で高額な損害額が認定される場合がありますので保険金額を無制限にしましょう。

・対物賠償保険(基本補償):無制限

 事故で他人の車や建物および物などを壊してしまった場合の補償です。1回の事故につき、契約の保険金額を限度として保険金が支払われます。補償の保険金額については無制限にするようにしましょう。

 基本補償のほか、相手のモノの損害、本人のケガやモノの損害についての補償を付帯するかどうか検討します。二人乗り(タンデム)をする場合は、「搭乗者傷害保険」を付帯すると安心です。
 バイクは車とは走行性の違いがあり、転倒時のダメージが大きいこと、そして盗難に遭うことも想定しておく必要があります。愛車を守るための補償について解説します。

■車両保険

 車との衝突や接触事故などで起きたバイクの損害に対する補償です。盗難によって生じた損害は適用されません。

■盗難保険は必要か

 盗難保険は、一般的には購入したメーカーを通じて加入することができますが、メーカーを特定せずに加入できる保険もあります。

 あるメーカーの盗難補償(盗難補償システム)の内容をみると、「車両盗難補償」「パーツ盗難補償」「カギ穴イタズラ補償」「パンク修理補償」の補償があります。

 250ccロードスポーツタイプの新車価格60万円では、新車バイクプラン1万8400円(年会費)を検討できます。車両盗難補償の免責は6万円ですが新車提供となります。このほかパーツ盗難補償などの車両付属補償が付きます。


【あるメーカーによる盗難補償システムの内容】

車両盗難補償

・メーカー新車全車種対象
・中古車も一部を除き対応可能
補償上限:〜367.5万(プランによる)
免責金額:2〜35万円(プランによる)

パーツ盗難補償

・マフラーやサスペンションなどのバイクの純正パーツも補償
補償上限:3〜20万円(プランによる)
免責金額なし

カギ穴イタズラ補償

・カギ穴イタズラによるシリンダー部品代金を補償(年1回)
補償上限:1.5〜7万円(プランによる)
免責金額なし

パンク修理補償

・パンク修理代金を補償
補償上限:1万円
免責金額なし

 250ccクラスはバイクのタイプも多様で自分の好みに合うバイクを見つけることができます。一方、コストに関して、バイク保険やそのほか盗難保険などの補償に対しては決して安いものではありません。補償は付ければ付けるだけ手厚くなり安心を得ることができます。補償が手厚くなれば保険料も高くなります。

 そこで、膨らみがちな保険料については、必要な補償を絞り込む、つまり、リスクの細分化を図りましょう。バイクを利用する目的や搭乗させる人はいるのかどうか、保管場所や管理状態などをよく考えて、補償を選びます。

 また、最近TVのCMでも目にするダイレクト型の保険会社も選択肢の一つに入れてみてはどうでしょうか。インターネットを介して申込みをするため、インターネット割引により保険料を安くすることができます。

 250ccバイクはその種類がとても豊富で、しかも車体が軽く初心者や女性にも取り扱いが楽なため誰でも乗りやすいタイプです。バイクライフを楽しむにはセーフティライディングが一番大切ですが、もしもの時のこともしっかり考えておきたいものです。そのための補償について見直してみてはいかがでしょうか。


※1 40歳代から50歳代を中心に若い頃バイクに乗り、その後は結婚や仕事を理由に乗らなくなってしまった人たちが、40歳代から50歳代になり再びバイクに乗り始めたことからこのように呼ばれるようになった。(出典:「リターンライダー」一般社団法人 日本二輪車普及安全協会より)
※2 「2015年度二輪車市場動向調査」一般社団法人日本自動車工業会より
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