車を売却する流れと事前に知っておきたい注意点を解説

車を売却する経験が豊富な人は、そう多くありません。特に、初めて車を売却する際は、流れがわからず不安を感じる人も多いのではないでしょうか。愛車を手放すのであれば、トラブルなくできるだけスムーズに手続きを終えたいもの。そのためには事前に流れを把握して、しっかり準備を行いましょう。

今回は、一般的な車の売却の流れや知っておきたい注意点を解説します。

目次
■車はどこで売却するのがいい？
■車を売却する流れ
・1. 査定してもらう
・2. 買取会社を決定する
・3. 必要書類を準備する
・4. 契約して車両引き渡しを行う
・5. 入金確認を行う
■車の売却前に知っておきたい注意点
・事故歴や修理歴は正直に申告する
・ローン返済中の場合は所有権に注意する
・買い替えの場合は納車日と引渡日を工夫する
・契約成立後はキャンセルしない
■車の売却前にしておきたい高く売る準備
・メンテナンスノートの準備
・純正パーツの準備
・清掃と消臭
■車を売却する流れを把握してしっかり準備しよう

車はどこで売却するのがいい？

車を売却する方法には大きく、「ディーラーで下取りしてもらう」「ネットオークションで売る」「車の買取会社で売却する」という3種類がありますが、この中でおすすめしたいのは、買取会社で売却する方法です。

ディーラーで下取りをしてもらう場合、新車購入が前提になっており、古い車の売却代を新車の購入代金にあてる形になります。ディーラーに売却する手続きの多くを任せられますが、査定額は中古車の相場が反映されずに安くなる傾向があるでしょう。

車のオークションであるオートオークションには、一般人は参加ができません。代行業者に依頼することはできますが、すぐに落札されるとは限らないこと、落札されなくても手数料がかかることには注意が必要です。通常のネットオークションなら個人でも参加でき、高値がつくこともありますが、個人間の取引はトラブルになりやすいことに注意してください。

買取会社の場合は、中古車の相場を反映した査定をしてもらえます。下取りだと値のつかない古い車などでも、パーツを分解して販売したり、海外輸出したりといった活用方法があるため、買取会社だとある程度の査定額が付く可能性もあります。トラブルなく、できるだけ高値で車を売却したいなら、買取会社での売却を検討してみてください。

車を売却する流れ

車を売却する流れは、そう複雑ではありません。流れを把握して、スムーズに売却できるように準備しましょう。ここでは、買取会社で車を売却する流れをご紹介します。

1. 査定してもらう

まずは、車の売却価格の査定を受けます。査定額は、買取会社などのWebサイトでシミュレーションを利用して調べることもできますが、実際に買取会社に持ち込んだり、出張査定を受けたりしたほうが精度は高くなります。おおよその査定額をWebサイトで確認し、それをもとに買取会社を絞り込んで対面の査定を受けるといいでしょう。査定してもらったら必ず売却しなければならないわけではないので、対面の査定を複数受けることも可能です。

少しでも査定額を上げるため、対面の査定前には、内外装の清掃や消臭を忘れずに行ってください。

2. 買取会社を決定する

おおよその査定額がわかったら、どこで車を売却するかを決めましょう。金額だけでなく対応はどうか、過去にトラブルはないか、適用できるキャンペーンやサービスなどがないかも確認してください。

ランキングサイトなどを利用して、口コミや評判なども確認することをおすすめします。

3. 必要書類を準備する

車を売却する際は下記のような書類が必要になります。紛失している場合は再発行が必要になり、準備に時間がかかることもあるため、書類は査定や買取会社の決定と合わせて準備を始めるといいでしょう。

車の売却に必要な書類等

• 車検証（自動車検査証）原本
• 自賠責保険証明書
• 自動車税（種別割）納税証明、または軽自動車税（種別割）納税証明
• リサイクル券
• 印鑑登録証明書・実印（普通車のみ）
• 認印（軽自動車のみ）
• 住民票（車検証に記載の住所と現住所が異なる人のみ）

車の売却に必要な書類については、下記の記事をご覧ください。
・車の売却に必要な書類とは？車を高く売るために必要なものも解説

4. 契約して車両引き渡しを行う

買取会社と契約が成立したら、車の引渡日を決めます。引渡日までに、車内に私物が残っていないか入念にチェックしてください。ダッシュボードやトランクはもちろん、備え付けのカーナビに個人情報が残っていないか、ドライブレコーダーやオーディオにメディアを入れっぱなしにしていないかなども、チェックポイントです。

5. 入金確認を行う

まれにその場で現金を渡すケースもあるようですが、多くの場合、車両引き渡しの当日に車を売却した代金は支払われません。買取会社から案内があり、2日〜1週間程度で指定の口座に振り込まれるため、指定された日に入金があるか確認しましょう。

万が一、指定日に入金がない場合は、買取会社に連絡してください。入金が確認できたら、車の売却は完了です。

車の売却前に知っておきたい注意点

車の売却の際は流れのほかにも知っておきたいポイントがあります。ここでは、車売却で押さえておきたい注意点をご紹介します。

事故歴や修理歴は正直に申告する

売却する車に事故や修理の履歴があると、査定額が下がる場合があります。そのため、中にはそういった履歴を隠して売却しようと考える人もいるでしょう。

しかし、事故や修理の履歴は確実に発覚します。隠して売ろうとしたことがわかって、不利になる可能性のほうが高いです。正直に申告することをおすすめします。

ローン返済中の場合は所有権に注意する

何らかの理由で、ローン返済中の車を売却することがあるかもしれません。車を売却する場合は所有権や名義が本人であることが前提ですが、ローン返済中の車の所有権はローン会社やディーラーになっている場合が多いです。売却の際は所有権変更が必要であり、手続きはローンの完済後に可能になります。つまり、原則としてローン返済中は車の売却ができません。

ただし、買取会社によっては、ローンの残債がある状態でも、売却を可能とするところもあります。その場合は、買取会社がローンの残債を立て替えて完済し、所有権変更の手続きを行って売却、車の売却代金を立て替えたローン返済にあてるという流れになるでしょう。

車の売却代金がローンの残債より少ない場合は、新たにローンを組んで返済するか、残りを一括または分割で支払うことになります。

ローン返済中に車を売却する場合は、所有権がどうなっているのか確認しておくとともに、ローン返済中の買取に対応してもらえる買取会社を選択する必要があります。

買い替えの場合は納車日と引渡日を工夫する

新たに車の購入するに伴って、これまで乗っていた車を売却する場合は、納車日と引渡日に注意してください。

古い車の引き渡し前に新しい車が納車になると、車庫に車が2台ある状態になります。反対に、新しい車の納車前に引き渡してしまうと、数日車がない状態になるかもしれません。午前に古い車の引き渡し、午後に新しい車の納車といったスケジュールを立てるなど、工夫が必要です。

契約成立後はキャンセルしない

車を売却する際、契約成立後にキャンセルすることは可能ではありますが、基本的にはやめたほうがいいでしょう。キャンセル料が発生する可能性がありますし、トラブルに発展することも考えられます。

ただし、どうしてもキャンセルしなければならない事情が発生する可能性もあります。そのためにも、売却の前に買取会社のキャンセル規定を確認し、いつまでならキャンセルできるのか、キャンセル料はかかるのかなどを確認しておいてください。

車の売却前にしておきたい高く売る準備

車を売却するなら、できるだけ高く売りたいと考えるものです。売却の査定額は、ちょっとした準備で変わる可能性があります。ここでは、車を高く売るために準備しておきたいことをご紹介しましょう。

メンテナンスノートの準備

メンテナンスノートは、車のメーカー保証書や定期点検整備記録簿をまとめた書類のことです。メンテナンスノートは所持が義務付けられていますが、紛失したとしても特に罰則はありません。しかし、売却の際は、メンテナンスノートがないことで、査定額が下がるおそれがあります。

メンテナンスノートがあれば、車検以外にも定期的な検査を受けていることが証明されますが、なければ点検を受けていない状態とみなされる可能性があります。普段からメンテナンスノートを失くしたり汚したりしないように保管しておきましょう。

万が一紛失してしまった場合は、ディーラーで再発行できる可能性があるため、問い合わせてみてください。

純正パーツの準備

メーカー純正のオプションパーツがあると、査定額がアップする傾向があります。純正パーツは後付けができないものが多く、売却時に純正パーツがあれば希少価値が上がるでしょう。

たとえ取り外して社外品のパーツをつけていたとしても、捨てずに保管しておいたほうが、売却の際は有利になる可能性が高いです。

清掃と消臭

洗車や車内清掃は、査定士の印象を左右するので、行ったほうがいいでしょう。外装が汚れていたり、車内がゴミだらけだったりすれば、「ちゃんとメンテナンスをしてきたのか」「構造に問題があるのでは」などと疑われ、査定額が下がる可能性もあります。神経質になる必要はありませんが、一通りの清掃はしておいてください。

重要なのは消臭です。中古車を購入する際に車内のにおいを気にする人は多く、においの強い車は敬遠される傾向があります。そのため、査定の際ににおいが強いと査定額が下がってしまうのです。

車を高く売るためには、普段から車内でたばこは吸わない、ペットを載せるときは専用のシートやケージを用意するなど、においがつかない工夫が必要です。査定前には無香の消臭剤や消臭スプレーを使い、晴れた日に換気しておく、エアコンフィルターを掃除しておくといった消臭作業を行ってください。

車を高く売る方法については、下記の記事をご覧ください。
・車を高く売る方法とは？普段からできることについても解説

車を売却する流れを把握してしっかり準備しよう

車を売却する流れは複雑ではありませんが、用意するべき書類や準備しておくことがあります。事前に流れを把握して、スムーズに売却できるようにしましょう。

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