2012年07月13日 10時00分

新興国への投資方法解説(後編)

 米中の優良企業もいいが、より勢いのある新興国の企業に投資がしたい。そう考える人は、複数の銘柄に分散投資できるETF(上場投資信託)をチェックしてみよう。

 楽天証券を例に見てみると、ブラジル籍企業&ブラジルで事業展開する小型株を主な投資対象とする「マーケット・べクトル・ブラジル小型株ETF」を始め、インドネシア、マレーシア、タイなど、急伸するアジア各国の市場動向に連動する銘柄が多数。アジアのハブになっているシンガポールのETFが豊富なのが特徴的だ。

 10万円以内の少額取引をするなら、インターネット経由の株式取引の場合、委託手数料が無料となる松井証券も魅力的。マネックス証券も中国、韓国、台湾、インドなどの銘柄を中心に、アジア各国の急伸企業も含めた「iシェアーズ MSCI エマージング・アジア・インデックスETF」など、インデックス・ファンドに力を入れており、一点集中のリスクを避けながら新興国に投資したい人にはオススメだ。

 もちろん、より深く市況を見て、個別の銘柄に投資することもできる。ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しているブラジルの総合エネルギー会社「ブラジリアン・ペトロリアム - ペトロブラス」などの米預託証券(ADR)、あるいは主に欧州で発行されているグローバル預託証券(GDR)として日本から投資できるものを探していくと、これまでは注目してこなかった新興国の優良企業に出会えるかもしれない。

 大和証券が扱っている銘柄を見てみると、インドに本社を置く世界有数のITコンサルティング会社「インフォシス・テクノロジーズ」、資産規模でインド2位の銀行「ICICI銀行」、時価総額でブラジル最大の石油会社「ペトロブラス」、ロシア最大の石油会社「ルクオイル」などに投資が可能。楽天証券では、成長目覚しい南アフリカの資源化学企業「サソール」、台湾最大の電気通信事業社「チョンホア・テレコム(中華電信)」などのADRを取り扱っている。

 閉塞感が拭えない日本、大統領選を控えて波乱も予想されるアメリカ、一時に比べて右肩上がりの成長に陰りが見えるともいわれる中国……と、大規模な市場を持つ各国にも、不安の種はつきない状況。現地に足を運んだり、電話でやり取りをしたりしなくても、オンラインで簡単にトレードできる時代、新興国への夢のある投資を考えてみては?(blueprint)

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