2015年03月25日 08時00分

“決戦”は金曜日! 総会前に株価で見る「大塚家具」の経営権争い

【グラフ】“お家騒動”で注目される「大塚家具」の株価推移(株価は各日終値、期間は2015年1月5日〜3月23日/オリコンDサイエンス調べ) (C)oricon ME inc. [拡大する]

【グラフ】“お家騒動”で注目される「大塚家具」の株価推移(株価は各日終値、期間は2015年1月5日〜3月23日/オリコンDサイエンス調べ) (C)oricon ME inc.

 前代未聞の“父VS娘”のお家騒動に揺れる「大塚家具」の株主総会が、いよいよ27日に迫っている。総会での議決によって、今後の会社トップや経営方針が決まるとあって、連日テレビや新聞などでも大きな注目を集めている。今年に入ってから、大塚勝久会長と娘・久美子社長の発言や行動に応じるように、株価は何度も大きな変動をみせている。そこで、お家騒動の勃発時からそれぞれの発言による株価の動きをまとめてみた。果たして、経営権を巡る委任状争奪戦の結末はいかに。

 まず、口火となったのは、1月15日(グラフの1)。社外役員から「大塚勝久会長兼社長に対する社外役員の要望事項」が提出。同月28日(グラフの2)には取締役会が開かれ、会長の娘である久美子氏が社長に復帰した。翌29日(グラフの3)、大株主である勝久氏が、自身と長男・勝之氏らを取締役に選任し、久美子氏を外す株主提案を提出し、株価もにわかに動き出す。

 2月に入ると両者の対立はより激化し、お互いの主張を交えた攻防戦が始まる。2月13日(グラフの4)には、久美子氏が勝久氏に対して会長解任を提案。さらに17日、勝久氏が提出した株主提案を反対することを表明すると、1000円ぐらいからじわじわ値を上げていた株価が1095円に上昇した(グラフの5)。

 大きく株価が動き出したのは2月末。25日(グラフの6)に久美子氏と勝久氏が個別に会見を開く。久美子氏の会見内容は「業績予想で黒字化の見込み」があること、「配当金を40円から80円の2倍にする」と増配を決定。一方、勝久氏は、長男・勝之氏と解任案についての説明会見を行ったが、久美子氏はこれに対して、翌26日に再び会見を開き、反論を述べた。株価は1405円(グラフの7)まで上昇し、そこから一気に佳境を迎える。

 3月2日、勝久氏は予定していた会見をキャンセル。今後の対応や動向が注目されてか、終値で2000円台に突破し、2043円を付ける(グラフの8)。翌3日は年初来高値を更新し、2488円からスタートした。この日、勝久氏の会見が開かれ“さらに株価上昇するのでは”と予測されたが、米投資ファンド「ブランデス・インベストメント・パートナーズ」が保有していた同社の株を半分以上売却したことが判明。これがマイナス材料と捉えられたのか、終値は1840円に下落(グラフの9)。翌6日には久美子氏の増配に対抗するかのように、勝久氏が「配当3倍」を宣言したものの、株価は1609円に落ち着いた(グラフの10)。

 その後は、やや久美子氏にとって追い風となる話題が続く。10日には、同社保有株を大量売却した「ブランデス・ インベストメント・パートナーズ」から、久美子氏を支持する書面を受け取ったことが明らかになると、株価は1679円にジワリと回復(グラフの11)。さらに、議決権行使助言会社「グラスルイス社」に加え、「インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ」も久美子氏を支持するレポートをまとめたことが判明した(グラフの12)。その後も大塚家具の話題が出る度に株価は上下を見せているが、グラフを見てもわかるように、以前に比べて大幅に値を上げているのは事実。お家騒動でブランドのイメージは下がりつつあるも、株価自体は上がっていると言えるだろう。ちなみに、「議決権行使助言会社」とは、機関投資家や一般投資家に対して、株主としての議決権の行使に関して助言を行う会社のこと。総会に参加する投資家らが、これらのレポートにどの程度左右されるのかも注目されそうだ。

 創業以来の理念を貫く勝久氏か、外部機関の支持を受ける革新派の久美子氏か。3ヶ月近くにわたり繰り広げられてきた“お家騒動”は、あさって27日の株主総会で決着を迎える。

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