「停電」でマーケットは止まるのか? 人に自慢したくなる「東証の豆知識」(後編)

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人に自慢したくなる東証の豆知識 (C)oricon ME inc.

 日本最大の金融取引所として知られる「東京証券取引所」(以下、東証)。これまで「大人の社会化見学」として、見どころや体験コーナー、貴重な資料館など、同所を楽しむコツについて解説してきた。そして前回は、人に話したくなる東証の「豆知識」の前編を紹介。今回は、その後編を引き続き、お届けする。

■東証はどんな法人?
 これまで、東証の社会化見学として、同所の魅力を紹介してきたが、そもそも「証券取引所って何?」といった今さら人に聞けない素朴な疑問を持っている人もいるだろう。

 実は、東証は「株式会社東京証券取引所」という列記とした営利法人。もともとが公益を目的とする法人だと思っている人が意外に多いのだが、日本資本主義の父ともいわれる渋沢栄一氏が設立した「東京株式取引所」の時代から、戦後の一時期を除き、一貫して営利法人であった。

 現代の感覚では、「営利目的」という言葉から、私利私欲に走る印象を受けるかもしれないが、決してそうではない。「道徳経済合一説」を唱えていた渋沢氏は、多くの企業の創立や運営に携わったが、「私利を追わず、公益を図る」の信念を貫き、莫大な利益を多くの財団設立や寄付という形で社会還元してきた人物でもあったという。

 「東京株式取引所」設立や同氏に関係のある史料は、1階の証券史料ホール史料に展示されているので、こちらもチェックしてみるといいだろう。

■あの鐘を鳴らすのは誰?
 東証のVIPテラスにある「上場の鐘」。これは上場セレモニーや大発会(新年最初の営業日に開催される催事)、大納会(年内最後の営業日に開催される催事)などの際に打鐘される。

 上場セレモニーのとき打鐘する回数は、「五穀豊穣」を祈願するために5回とされているのだが、いったい誰が打つのだろうか。

 実は、上場の鐘の打鐘については回数だけが決まっていて、誰が鳴らしても構わない。社長が1人で5回打ってもいいし、役員5人が順番に打ってもいい。あるいは社長と副社長が仲良く2人で打つというのもOKなのだ。

 鐘の鳴らし方には、新規上場企業の個性が表れるといえそうだ。セレモニーの様子を見る機会があれば、どんなふうに打鐘しているか、チェックしてみてはいかがだろうか。

■「停電」でマーケットは止まるのか?
 停電によるマーケット停止は、基本的に「ない」。東証本館への電力供給が停止したとしても、売買システムなどを有するデータセンタが稼働している限り、停電を理由に売買を停止することはない。

 東証本館では、電力会社からの電力供給が停止した場合に備えて、CVCFやUPS(無停電装置)からの一時的な電力供給を行い、さらに自家発電装置を具備することで、一定時間の業務継続を可能としている。

 停電が長期間に及ぶ場合などは、あらかじめ用意しているバックアップオフィスへシステム運営に必要な部署を移転して業務継続する。

 過去の停電事例としては、2006年8月14日に旧江戸川を航行中のクレーン船が架線を切断し、首都圏全体で停電した際に、東証本館も停電。この際は無停電装置と自家発電装置が稼働したため、業務への影響はなかった。

■東証のシステムは進化してるのか?
 東証では、機関投資家の迅速な注文執行ニーズに対応するためのシステム性能増強と売買の利便性向上のための機能追加などを続けている。

 2012年7月17日に、システム性能を増強し、注文受付レスポンスを平均1ミリ秒以下とし、世界最速水準の注文受付性能を持つアローヘッドをさらに進化させている。

 2014年7月22日には、1円単位での取引から「10銭単位取引」に変更。細かい値動きにも、対応することを目的に始まっている。

■オリジナルグッズも数々販売
 東証の1階には、見学記念品コーナーがあり、同所でしか購入できないオリジナルグッズが揃っている。ボールペンやクリアファイルなどの文具から、折りたたみ傘、Tシャツなど、バラエティーに富んだ品ぞろえが用意されている。ロゴが入っているので、見学のいい記念にもなるはずだ。

 ちなみに、人気があるのは、ネックストラップ(200円)とピンバッチ(100円)。全体的に、価格が手ごろなのもうれしい。友人や家族へのお土産にしても喜ばれそうだ。

■江戸の歴史を感じる地域
 東証の建物が建っている場所には、江戸時代に三河西尾藩の松平和泉守の上屋敷があったそうだ。最寄りの茅場町駅近くには、江戸の市民から「八丁堀の旦那」と呼ばれていた与力・同心が居住していた組屋敷もあったという。実は、この周辺は地名なども含め、歴史好きがちょっとワクワクするエリアなのである。銀行発祥の地など、明治期の歴史も感じられるこのエリアを歩いて、さまざまな想像を膨らませてみるのも一興だろう。

 今回は、東証にまつわる豆知識を紹介した。次回は見学の最新情報についてお伝えするので、お楽しみに。

(記事/川口沙織)

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