2015年10月19日 10時00分

“投資初心者”必読! 芥川賞『火花』でわかる上昇銘柄の見つけ方

芥川賞を受賞した又吉直樹の『火花』(文藝春秋) [拡大する]

芥川賞を受賞した又吉直樹の『火花』(文藝春秋)

 毎年秋から冬になるとさまざまな賞やアワードが発表される。そんな中でも、本好きの人が注目する賞の一つが、ノーベル文学賞だろう。毎年、日本を代表する作家である村上春樹氏が受賞するのかが話題に取り上げられる。今年も残念ながら受賞は叶わなかったが大きな注目を集めたのは言うまでもない。

 当然ではあるが、このノーベル文学賞は書籍の売れ行きにも大きく関係する。ベストセラーの誕生はその業界に経済的恩恵を及ぼすわけで、出版社や印刷会社がその代表格といえる。当然、村上氏がノーベル文学賞を受賞していれば、株式市場に大きな好影響を与えることになっていただろう。

「風が吹けば桶屋が儲かる」という格言がある。

 意味は、「強い風が吹くと砂ぼこりが舞い、砂が目に入って失明してしまう人が増え、失明した人は三味線を弾くようになるので、三味線に張る猫の皮が必要だから猫が減り、猫が減るとネズミが増え、ネズミは桶をかじるので桶の需要が増えるから、桶屋が繁盛する」というかなり強引な流れだ。ざっくり言うと、「一つひとつは関係がないような事も、何かが起こった事で回り回って第三者が得をする」ということを表現している。

 この格言は、株式投資でも役に立つ格言として利用されており、株で儲けることは連想ゲームを展開するようなもので、ある一つのニュースがどこまで影響を及ぼすのか、他人の半歩先を予測する力が必要になってくる。

 つい最近では、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹氏が書いた小説『火花』が「第153回芥川賞」を受賞した。芸人として史上初の同賞受賞をきっかけに、累計発行部数は早々に100万部を突破。それ以外にも、本人のテレビや雑誌露出はもちろん、作品自体もネット映像配信サービス『Netflix』により映像化されるなど、さらなる盛り上がりを見せている。もちろん、この『火花』の受賞は、株式市場にも影響を及ぼしていた。

■株価上昇の流れはいかに?

 まず、小説『火花』が芥川賞にノミネートされた時点で、大きな注目を浴び、書籍を求めて多くの人が書店に行くことが予想できる。そうなると、小説が売れて品物が少なくなり、増刷されるとますます話題になり、書籍を求めて人が書店に行くことが連想できる。そのため、『火花』が芥川賞を受賞するかもしれないと話題に上り始めた頃から、実際に書店チェーン大手『文教堂グループホールディングス(証券コード:9978)』の株価が上昇したのだ。※証券コードとは、取引所に上場する企業に割り当てられる4ケタの数字。

 小説やお笑い芸人が日本の経済効果に影響があるとはすぐには連想できないかもしれない。だが、書籍に限らず、ゲームやスマートフォンといったその時の大ヒット商品は、それを取り巻く多くの企業や業績に好影響を与えることになる。

 我々が何気なく買っている商品が、実は日本経済や株式市場にも影響を与えていることも多々ある。つまり、普段から買い物をする際に、連想ゲームを展開しておくことで、将来の有望株をいち早く発掘できるようになるかもしれないのだ。まずは、自分の中で上がりそうな銘柄を予想して、購入せずに実際に上がったかをしばらく追うだけでもいいだろう。ぜひ、やってみてほしい。

<記事/横山利香>
検定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。株式投資をはじめ、外貨投資や投資信託、不動産投資等を中心に、マネー誌等で執筆やコメント、講演活動を行う。 投資関連の著書多数。会社四季報オンライン「横山利香のスイングトレード日記」や、オールアバウト「株式戦略マル秘レポート」で連載中。

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