2015年10月30日 07時30分

郵政3社の売出価格決定! 「かんぽ生命」が1番人気の理由とは!?

【表】NTT(9342)の上場後半年間の株価 (C)oricon ME inc. [拡大する]

【表】NTT(9342)の上場後半年間の株価 (C)oricon ME inc.

 11月4日の上場に向け、まず「子」であるゆうちょ銀行(1450円)とかんぽ生命(2200円)の売り出し価格が決まった。26日には「親」である日本郵政の価格も1400円に決まり、3社の売出価格が出そろった。

 すでに周囲では、「ブックビルディングに応募して当たった」という声もチラホラ聞くが、日ごろは株式購入にあまり熱心とはいえない層も今回は食指を伸ばしているようだ。

 実際、地方銀行系証券会社のある担当者は、「ゆうちょ上場に向けて、口座数が4割増えた」とうれしい悲鳴をあげていた。実際、主幹事の三菱UFJモルガン・スタンレー証券などでも、3社上場が承認された9月は、8月に比べて開設口座数が55%増えたという。

 3社の中で一番人気はかんぽ生命。かんぽ生命で30倍、ゆうちょ銀行が5倍、日本郵政が4倍といった評判だ。実際に、かんぽ生命に当たったという声はあまり聞かれない。「ゆうちょ銀行は当たったけど、欲しかったのはかんぽ生命だった」と嘆いている人もいる。

 かんぽ生命の売り出し株式数は5280万株、日本郵政の3億9600万株やゆうちょ銀行の3億2995万株に比べて、売り出し数が少ないのが一番の理由だ。

 事業面でも、生保会社の健全性を示すソルベンシーマージン比率が1644%と大手生保の1.5倍の高さを示しているほか、保険料収入も約6兆円と大手TOP3と肩を並べる。保険での成長分野といわれる、医療やガンなどでの実績が少なく、成長性への疑問もあるが、逆に伸びシロと見ることもできる。

 これに比べて、ゆうちょ銀行は、銀行業務の収益源である貸出業務を行っていないなど、課題が多く、企業として成長するのに時間を要しそうであることは否めない。

 実際、上場されると、株価はどうなるかも気になるところだ。比較するのも何だが、87年のNTT株第一次放出時の大フィーバーのときのチャートを掲載した(図1参照)。売り出し価格119万7000円だったものが、2ヶ月で318万円まで2.6倍上がった。

 とらぬ狸の皮算用だが、倍率30倍のかんぽ生命の売り出し価格は2200円。100株単位なので、22万円で購入できる。その人気から、NTT並みに2.5倍の株価になったら、5500円。22万円で買ったものが、55万円で売却できることになる。

 ただし、ゆうちょ銀行もかんぽ生命も、配当利回りは3%台と銘打っているので、長く保有して、配当を享受したい人も多そうだ。

 実際、どんな結果になるのかは、11月4日の上場を待てばわかるのだが、「意外と人気だった」ゆうちょ株、ということがまずはいえそうだ。

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