2016年03月31日 08時00分

下落相場こそ利益獲得目指せる! 「ブル型投資商品」って何か?

下落相場のなかでも利益を生むためにおさえておきたい“ブル型投資商品”とは? [拡大する]

下落相場のなかでも利益を生むためにおさえておきたい“ブル型投資商品”とは?

 初期のアベノミクス相場のように、株式市場全体が上昇していく相場では、どの株を買っても利益を出すことができる。だが、昨年から今年にかけての下落相場ではそうはいかない。

 こうなると、多くの人は再び力強い上昇相場が来るまで様子見を決め込んでしまう。もちろん、リスクを避けて資金を温存しておくことは、それはそれで悪くはない。とはいえ、こういった相場でも積極的に利益を獲得したいと考えるのであれば、どうすればいいだろうか。

■長く続く下落相場でも、積極的に利益を狙うには?

 一つには、市場全体が下落している相場でも、なかには上昇している銘柄もあるので、そういった逆行高の銘柄を探す方法がある。また、信用取引によって、下がりそうな銘柄を「信用売り」して、積極的に利益獲得を狙う投資家もいるかもしれない。

 だが、逆行高する銘柄を選び出すにしても、信用取引をするにしても、リスクも大きくなるために、ややハードルが高いと感じる人が多いだろう。そこで、市場のインデックス(日経平均株価やTOPIX)が下落すると価格が上がる「ベア型」の投資商品を検討してみてはどうだろう?

■株価が下がるほど価格が上昇し、投資家の利益になる  

 本来、ベア(Bear)は熊を意味する英語だが、金融市場では下落相場を表している。これに対し、雄牛を表すブル(Bull)は上昇相場を意味する。その由来については諸説あるが、雄牛は敵と戦うときに角を下から上へと突き上げ、熊は逆に前足を振り下ろす姿勢を取ることから、それぞれ上昇と下落の象徴として使われるようになったという説が有力であるようだ。

 一般的な投資商品は価格が上昇することによって利益が出る。だが、「投資信託」や「ETF(上場投資信託)」のなかには、市場のインデックス(指標)と逆の値動き(基準価額の動き)をするように設計されたタイプがある。インデックスと同じ方向に基準価額が動くのが「ブル型」、正反対方向に基準価額が動くのが「ベア型」ということだ。

 たとえば、日経平均株価に連動する商品の場合、ブル型商品は日経平均が上昇するとそれに連動して価格が上昇し、投資家に利益をもたらす。これに対しベア型商品は値動きが日経平均株価と逆相関するため、指数が下落すると価格が上昇する。このため、インデックスが下がれば下がるほど買った投資家に利益をもたらすことになる。なお、ベア型のことを「インバース」(逆の、反対の)と表現することもある。

■レバレッジがかかるETFや投資信託も  

 ブル型やベア型の投資信託は、動きにダブル(2倍)、トリプル(3倍)といったレバレッジがかかるタイプもある。ブル型の場合、インデックスが1%上がると、ダブルなら2%、トリプルなら3%の値上がりをする。一方、ベア型なら2%、3%の値下がりとなる。インデックスが1%の値下がりとなれば、ブル型は2%(ダブル)、3%(トリプル)の値下がりになるが、ベア型なら2%(ダブル)、3%(トリプル)の値上がりとなる(実際にはインデックスとぴったり同じ動きはせず、多少のずれがある)。

 つまり、これからしばらく市場全体が上がると読めば、ブル型、逆に市場全体が下がると読めば、ベア型を買い、思惑通りになれば利益を獲得できるわけだ。

 特に、株式市場で株と同じように売買できるベア型のETFは、相場が下落基調を強めた今年に入ってから人気を呼んでいる。具体的には、「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」(1357)や「日経平均ベア2倍上場投信」(1360) といった、日経平均株価のマイナス2倍の値動きをするベア型ETFだ。ETFではなく普通の投資信託にも、「新光Wベア・日本株オープンIII」のほか、マイナス3倍の値動きをする「楽天日本株トリプル・ベアII」などの商品もある。

 これらの商品は、日経平均の下落率が高い日ほど、大きく売買されて、東証の売買代金ランキングや値上がり率ランキングでトヨタ自動車やソフトバンクといった主要企業を抑えて上位に躍り出ることもある。

 ただし、これらのレバレッジがかかった商品は値動きの変動幅が大きく、リスクは高い。また、長期で保有するほど不利になり、上昇と下落を繰り返す相場でも利益を出しにくくなるしくみになっているので、短期勝負と割り切って利用するのがオススメだ。

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