2017年06月06日 09時40分

“イデコ”掛金の金額はどう決める? 迷ったときの基本的な考え方3つ

「個人型確定拠出年金」の掛金はどのくらいが良いのか?迷ったときの「基本的な考え方」を紹介する [拡大する]

「個人型確定拠出年金」の掛金はどのくらいが良いのか?迷ったときの「基本的な考え方」を紹介する

 個人型確定拠出年金の加入を検討しているものの、「掛金をいくらに設定すれば良いのか分からない」という話をよく耳にする。ただし、人それぞれに拠出できる額は違うため、他の人のやり方をそのまま参考にしていいものかと迷うところもあるだろう。そこで今回は、掛金設定に迷ったときの目安となる「基本的な考え方」を3つお伝えする。

(1)まずは5000円からでも大丈夫

 所得のある人なら、掛金を拠出するだけで所得控除のメリットがあるので少額でも掛金を拠出したほうがいい。所得税率は5%から段階的にアップ、住民税は一律10%なので、最低でも15%の減税効果があるからだ。たとえば、毎月の掛金下限額5000円を積み立てると1年間で6万円となり、その15%にあたる9000円の税負担が軽くなる計算だ(※1、2)。

 ただし金融機関によっては、毎月口座管理手数料が引かれることもあるので、所得控除のメリットは半減してしまう。掛金が少ない場合、手数料比率が特に重要なので、できれば毎月の手数料が無料の金融機関を選びたい。

(2)公的年金の受給額を知っておく

 個人型確定拠出年金は公的年金の上乗せとなる制度のため、掛金を考える際には、土台となる公的年金の額を知っておくことも必要だ。年に1回、誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認できるほか、日本年金機構が開設している「ねんきんネット」に登録をすれば、現状の年金額の確認や、受取額のシミュレーションが24時間いつでも可能だ。

(3)平均寿命から逆算して考える

 「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)の出生中位・死亡中位仮定による推計結果によると、2050年の平均寿命は男性で83.55歳、女性で90.29歳と見込まれている。現在30歳の人が65歳を迎える頃には、およそ20年かそれ以上の老後期間を過ごすことになる予測だ。老後期間を25年だと仮定して、公的年金にプラスしてどのくらいの蓄えが必要なのか逆算することが、掛金を決める目安の一つとなる。多くの場合、老後資金は個人型確定拠出年金以外にも別の形で準備しているだろうから、その資産全体を見れば、個人型確定拠出年金で補完すべき金額がわかる。現状の資産の全体像を再確認する意味でも、この作業は有効だと言える。

 まずは少額からでも始めてみることが、老後資金を蓄えるための確実な第一歩となる。年に1度は拠出額を設定し直せるので、徐々にステップアップすることも可能だ。しかしながら、掛金の額が多いほど、お金を大きく成長させるチャンスが増えるということもお伝えしておきたい。生活との両立が可能な範囲で、いつでも最大限の活用を目指して取り組むことで、将来大きな実を結ぶ可能性も高まるだろう。

※1復興特別所得税は考慮していない
※2概算であり、減税額を保証するものではない

(マネーライター・永井志樹子)

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