2018年04月30日 11時00分

どんなリスクがあるの? 投資信託を上手に続けるためのポイント

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初心者が覚えておきたい投資信託のリスクとは(画像はイメージ)

 初心者向けともいわれる「投資信託」。運用を証券会社等のプロに任せられるのがポイントだが、支払い時に元本が満額支払われることが保証された「元本保証」の商品ではないため、損失を被るリスクは存在する。今回は、初心者が覚えておきたい投資信託のリスクについて解説する。

■いずれの商品にも値下がりのリスクがある

 市場における価格が変動し、投資資産の価値が変動する可能性のことを「価格変動リスク」という。投資信託は、複数の株式や債券、不動産等を組み合わせて商品としているが、投資信託の中身がどのようなタイプかによって価格変動リスクは異なる。たとえば、途上国の株式を中心に構成されている投資信託は、値上がりの可能性も高いが、値下がりの可能性もある“ハイリスクハイリターンタイプ”だ。一方、日本の国債や地方債に投資する投資信託は、大きなリターンに期待はできないが、堅実な値動きをする可能性が高い“ローリスクローリターンタイプ”となる。

 いずれのタイプであっても、上にも下にも値動きする価格変動リスクがあることは知っておきたい。どのようなタイプの投資信託であっても元本割れの可能性があり、そのまま持ち続けるのか、売却して出直すのか選択が必要となる。損失が出ている銘柄に見切りをつけ、売却して損失を確定させることを「損切り」という。この場合、一時的には損失を被るが、長い目で見れば、マイナスが小さなうちに損切りすることは得策といえる。損失が大きくなりすぎて、切るに切れない状態になることは避けよう。

■原資を取り崩して分配金が出る場合に注意

 「投資するなら月々分配金が欲しい」という考え方を持つ人もいるだろう。確かに毎月分配金があれば嬉しいし、分配金も含めた利回りが高ければ魅力だが、分配金には、「普通分配金」と「特別分配金(元本払戻金)」の2種類あることに注意しよう。「普通分配金」は投資信託の運用で得られた利益から支払われるが、「特別分配金(元本払戻金)」は運用益が少ない、または運用により損失が発生していても支払われる。その場合、分配金の原資は元本となる。これは「タコ足配当」といわれるもので、自分のお金を切り崩して受け取っている状態だ。基準価額が目減りしている場合、注意が必要と覚えておこう。ちなみに「普通分配金」は株式の配当と同じく課税対象になるが、「特別分配金(元本払戻金)」は元が自分の資産のため課税対象にはならない。

■手数料で損失が発生するパターンも

 投資信託を選ぶときは利回りが重要なポイントとなるが、実際には手数料や税金などで利益が圧縮されているケースが多い。買い付け時の手数料に注目すると、たとえば10万円の投資を行うときの購入手数料が2%(税込で2.16%)だった場合、手数料は2160円となる。投資信託の利回りが1%だとしたら、この時点で手数料分の赤字となる。最近ではノーロード(購入時手数料無料)の投資信託もあるため注目したい。また、投資信託で利益や分配金があれば、税金として20.315%が課税されるため、NISA口座などの非課税枠を有効活用しよう。

(文/西村有樹)
フリーライター。保険や資産運用などマネー系に強く、「All About」で自動車保険ガイド記事のほか、銀行や保険会社、証券会社などの刊行物、国交省、財務省等官公庁の媒体など幅広く執筆。ほかにも雑誌「プレジデント」「ベストカー」などでも多数の記事を担当する。

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