NISA(ニーサ)で運用する商品選びの基本をおさえよう

 いよいよ2014年1月1日から始まる『NISA(日本版少額投資非課税制度)』。1年間に100万円までの投資資金の範囲で譲渡益(売却益)と分配金・配当に対してかかる源泉課税を非課税にする制度だ。 NISAスタートに向けて口座開設の手続きは済ませたものの、「どんな商品がNISAで運用できるのか」や、「どの商品を選べばよいのか」といった疑問を持っている人もまだまだ多いのでは? そこで今回は商品選びの「基本」を徹底ガイド。知っておくべき基礎用語からNISAで運用できる商品、できない商品など「NISAで運用する商品選び」をマスターしよう。
 各金融機関では投資向けの金融商品が数多く販売されている。しかし、NISAではすべての金融商品が運用対象になっていないので、注意をしないと「せっかく購入したのに運用ができない!」なんていうことも。ただ、よく耳にする商品でも、特徴などがあやふやになっている場合もあるだろう。そこでNISAで運用する商品を選ぶ前に、まずは代表的な金融商品がそれぞれどんな商品なのか確認していこう。
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金融機関で取り扱っている代表な商品13
 まずNISA口座では以下4つの商品が運用できる。商品概要も一緒に確認しよう。
NISAで運用できる商品

1)株式投資信託
 株式に投資可能な投資信託のこと。株式以外に公社債(国や地方公共団体、民間企業発行の債券総称)を組み入れることができ、債券のみで運用されている場合でもこれに分類されることが多い。国内外の株式、債券など運用対象が幅広く、商品スタイルも多彩。

2)ETF(イー・ティー・エフ/上場投資信託)
 証券取引所に上場されている投資信託のこと。通常の投資信託と異なり、株式と同じように取り引きされるのが特徴。日経平均株価やTOPIXなどの指数と連動することを目標に商品が作られている。

3)J-REIT(ジェイ・リート/不動産投資信託)
 不動産を中心に運用する投資信託のこと。投資家から資金を集めて不動産を購入し、賃貸収入や売却益を分配する。購入する不動産はオフィスビルや商業施設、ホテル、住居など幅広い。

4)外国株式
 マイクロソフトやアップルなど世界的に有名な大企業をはじめ、海外の企業が発行する株式のこと。外国株式はアメリカや中国、韓国、欧州、東南アジアなどさまざまあるが、証券会社によって日本で取り引きできる株式が異なる。
 一方、上で紹介していない商品はNISA口座では運用できないということになる。主な商品例を確認しよう。
NISAで運用できない商品
5)個人向け国債
 日本国が発行している、個人だけが購入、保有できる債券のこと。国が元本と利子の支払いを保証し、満期時には元本を受け取ることができるため、安全性が高い商品と言われている。一般国債の購入額が5万円からに対して、個人向け国債は1万円から購入できる。

6)社債
 企業が事業資金を集めるために発行する債券のこと。株式と異なり、価格が大きく変動する心配がなく、企業が倒産しない限り定期的に利息の支払いがあり、償還期日には額面金額が受け取れる。

7)外国債券
 発行者、発行市場、通貨のいずれかが外国の債券のこと。外国企業が日本で円建て発行する債券や、日本円で購入して、米ドルで戻ってくるような債券など種類が多い。基本的な仕組みは国債と同様だが、格付けや金利変動、為替相場の影響を受ける点が特徴。

8)MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
 主に公社債で運用される投資信託のこと。利回り変動はあるが、諸手数料がかからず、1円以上1円単位でいつでも購入、出し入れができる点は普通預金と性質が似ている。証券会社の口座に入金しておくと、自動的に別の商品の買い付けに運用される。

9)MMF(マネー・マネージメント・ファンド)
 格付けの高い公社債など、安全性を重視した債券で運用される投資信託のこと。基本的な運用方法などはMRFと同じ仕組みだが、手数料無料でお金の出し入れをしたい場合は30日以上の運用が必要。また買い付けは自分で行う必要がある。

10)公社債投資信託
 株式を一切組み入れず、国債など安全性の高い公社債を中心に運用する投資信託のこと。一般的に中長期の運用に向いていて、安定した収益確保を目指している。

11)預貯金
 預金と貯金の総称で、どちらも金融機関に預けているお金のこと。金融機関によって呼び方が変わり、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫は「預金」、ゆうちょ銀行、農協、漁協は「貯金」と呼ばれる。

12)外貨預金
 日本円ではなく、米ドルやユーロなど外国の通貨で預金をすること。円よりも金利が高い傾向にあり、もらえる利息が多くなる場合もある。ただし、為替レートによって預けた外貨預金の価値が変わるので、こまめなチェックが必要。

13)ネット定
 ネット銀行や普通銀行のネット支店が取り扱っている、インターネットを通じて預ける定期預金のこと。普通の定期預金と比べ、手数料が安く、金利が高めに設定されている。預金通帳や証書は発行されない。
 上記のように数ある投資向け金融商品の中でも、NISAで運用できる商品には制限がある。商品選びの際にまずおさえておきたいポイントは、“NISA口座を通じて買える商品は『株式』と『株式投資信託』である”ということ(図1)。

 これには、J-REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)、外国株式も含まれている。反対に預貯金や個人向け国債、社債、外国債券などは対象外だ。MRF(マネー・リザーブ・ファンド)、MMF(マネー・マネージメント・ファンド)などの「公社債投資信託」も対象外となっている。


<図1>NISA口座で買える対象商品と対象外商品

 ただし、毎月分配型投信「グローバル・ソブリン」は外国の公社債を中心に投資する人気ファンドなのだが、これは制度上、株式投資信託に含まれており、NISA対象範囲になるなど少しややこしい一面もある。投資信託の多くは、株式投資信託に分類されることが多いが、購入の際にはNISA対象商品かどうか窓口で確認しよう。

※今回の特集内で紹介している情報やデータは2013年11月現在のものです。変更される場合もありますので、ご注意ください。

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