(2)株主優待で生き抜くためには…桐谷流「優待の心得」

 現金をほとんど使わず、株主優待での生活スタイルが話題を集める“桐谷さん”こと、桐谷広人さん。優待を余すことなく、無駄なく使いこなすための“桐谷流、優待の心得”があるそうだ。数ある銘柄の中から、株初心者が銘柄を選ぶ際に注目するポイントを教えてもらった。

(3)桐谷さんの「NISA運用術」はコチラ>>

吉野家では優待券2枚、 600円分をピッタリ使って食事をします

  • 画像/株主優待でおなじみの“桐谷さん”こと桐谷広人氏

    歌舞伎町前での1枚。時間を無駄にしないよう、移動は自転車が基本だそう。(撮影:皆藤健治)

――桐谷さんは優待銘柄を400ほど保有しているそうですが、ほかにもオススメ銘柄があれば教えてください。

 牛丼チェーンの「吉野家」なら10万円くらいで「300円券×10枚」の優待券が、年に2回もらえます。10万円で優待券6000円分と考えると利回り5%以上に相当するし、そのほかに現金の配当もあるから、優待と配当金だけでも利回り6.7%くらいなります。

 ちなみに、私は優待券2枚・600円分ぴったり使うようにしているんですよ。吉野家は牛丼280円ですから、1枚だと味噌汁やサラダを頼むと少しオーバーしてしまう。2枚なら、牛丼のほかに、サラダやキムチ、けんちん汁も頼めるんです。

―― せっかくの優待券だからこそ、無駄を出さない使い方もコツですね。

 牛丼よりもお酒が好きな人は、居酒屋の優待を持つといいでしょう。外食チェーンの「コロワイド」は11月現在で1株が約1000円、購入は500株からなので50万ほどかかりますが、「1ポイント=1円相当」で1年間に4万ポイントもらえるんです。「甘太郎」「北海道」「NIJYU-MARU」などの居酒屋や、イタリアンレストランの「ラ・パウザ」で利用できるほか、まぐろや和牛といった高級食材との交換も可能! 気に入っている銘柄です。

「自分が必要としている優待を選ぶこと」が大事

  • 画像/桐谷広人氏の座右の銘「優待は必要なものだけを」

    桐谷さん直筆の“優待の心得”。優待の内容がお得であっても、自分にとって不必要なら意味がない。銘柄を選ぶ際は、まずは「自分は何をもらったらうれしいか」を考えるようにしたい。(撮影:皆藤健治)

―― 業種を問わず、いろいろな会社の優待を受けられるんですね。

 上場企業は全部で3500社ほどありますが、そのうち1100社くらいが優待をやっています。実に上場企業全体の30%です。飲食店、洋服屋さん、カラオケ、スポーツクラブ、映画館などたくさんあります。少し調べてみると、きっと気に入る銘柄が見つかるはずですよ。

―― 購入予算以外に、銘柄を選ぶ基準とは? 利回りを気にした方がいいのでしょうか。

 初心者の人は高配当を狙うより、自分が必要としている優待で選んでもいいと思いますね。せっかくもらっても、使わなければもったいないですから。使い勝手が良いこともポイントですね。映画が見たいなら映画館、運動したいならスポーツクラブ、という風に選びましょう。

優待を楽しむ! まずは宝くじを買うような気持ちで

―― 株というと「損をしそうで怖い」というイメージもあるかと思います。

 儲けようと思えば、リスクはつきものです。「もしも値上がりしたら、お金も儲かっちゃう」くらいの、宝くじを買うような感覚で始めるのがいいかもしれないですね。最初のうちは値上がりしなくても、優待を楽しむつもりで株を買ってみてください。

――「当たればラッキー!」という感じですね。

 銀行預金をしてもほとんど利息がつかないことを考えると、優待だけでもお得ですから。まずは自分のお財布事情に合わせた安い株を買って、株の取引に慣れ親しむ。もっと株をやってみたいと思ったら高額なものにも手を出してみるというのが、いいのではないでしょうか。

桐谷さんから株初心者へ「銘柄選びの注目ポイント」
・もらってうれしい、自分が必要としている優待であること
・ムダなく使いこなせる、使い勝手の良い優待であること
・値上がりや高配当狙いではなく、優待だけでも楽しめる銘柄であること
桐谷広人(きりたにひろと)
1949年生まれ。広島県出身。七段元プロ棋士で、2007年に引退。その後は、所有する優待銘柄をやりくりして生活費をまかなうという“異色のライフスタイル”と、明るい人柄がテレビなどで取り上げられ話題に。近著に『桐谷さんの株主優待生活』(KADOKAWA角川書店)。
※今回の特集内で紹介している株価データや企業情報は2013年11月現在のものです。変更される場合もありますので、ご注意ください。
※画像出典:『桐谷さんの株主優待生活』(KADOKAWA 角川書店)