桐谷さんも“優待ブーム”を実感「優待を付ける企業が着実に増えている」

 株主優待生活で話題の“桐谷さん”こと元プロ将棋士・桐谷広人氏が2014年8月23日、東京・青山にあるテピアで開催された『IRフォーラム2014東京』の基調講演に参加。「桐谷さんが選ぶいい会社」をテーマに、株主優待の視点から見た“いい会社”の見分け方や株主優待の魅力を45分の持ち時間を使い切って、会場に集まった約250人の投資家たちの前で熱弁した。
  • <桐谷さん講演会関連画像>株主優待の魅力について熱く語る桐谷氏

    『IRフォーラム2014東京』で行われた講演会で、最近の“優待ブーム”について語った桐谷広人氏

 配当のほかに企業から“プレゼント”がもらえる株主優待。配当より利回りが良い優待品がもらえたり、配当+優待品でかなりの高利回りを期待できたりと、少額投資家でも効果を得やすいのだが、実は「投資家だけでなく、企業側にもメリットがある」と解説する桐谷氏。企業と株主の双方にとってメリットがある株主優待の魅力を、食品メーカーの『カゴメ(東1・2811)』の事例などを交えて紹介した。

 『カゴメ』の株主数は、株主優待を実施する2001年9月以前は6500人ほどだったが、“株主優待効果”で株主数が着々と増え、2013年9月現在で19万人を超えているという(詳細はカゴメホームページを参照)。優待を付けることで(1)長期保有の株主が増え、(2)株価が安定し、(3)株価下落が起きにくい、業績が安定するなどの好循環が生まれ、株主と投資家が“WIN-WIN”の関係になれる仕組みだ。
  • <桐谷さん講演会関連画像>講演会の様子

    老若男女問わず幅広い年齢層の投資家で埋め尽くされた会場。熱心にメモを取りながら話を聞く人や、中には何度も足を運ぶ“桐谷ファン”の姿も。

 実際に、バブル時代の株主優待実施企業は数百社程度だったが、現在は1000以上の企業で実施されており、さらに優待を新規開始、または復活させる企業も着実に増えていると、“優待ブーム”の実情を明かした。

 桐谷氏にとって、優待利回りが1番良いのは自社の料理を提供する「飲食店」であると明かす。優待品としてお米などが送られてくる場合は、配送料がかかるため優待利回りは少し下がるが日々の食費を節約できるなど、それぞれに検討ポイントがあるとし、「配当利回りが良く、お気に入りの優待がもらえる企業を見つけて、バランスの良い少額分散投資を」とアドバイス。今の株価を鑑みて「株は、とにかく安い時に買うことです」と、投資初心者に株の心得を説いた。
 さらに昔と比べて現在の“投資に関する手数料のお得さ”にも話題が広がり、「ネット証券」誕生で、いかに投資が身近になったのかという点にも触れた。

 ネット証券誕生以前は、1回の取引や資金の出し入れでも高額な取引手数料がかかり、名義書き換えなど手間がかかる作業が多く、買い時、売り時を逃したこともあったと当時を振り返る桐谷氏。しかし、2008年に株が電子化して以降は、取引手数料も100円台と劇的に変化。中には100円以下の会社や、桐谷氏も愛用している『松井証券』のように“1日10万円以下の取引なら無料”など、ネット証券誕生は、投資家たちにとってさまざまな不便を解消し、少額投資家でも恩恵が受けられるような取り組みを行っていることを解説した。

 さらに口座開設の際には「お得なキャンペーンを上手に活用するのも賢い方法」と述べ、キャッシュバックや友達紹介での現金プレゼントなど、各社が展開するキャンペーンをチェックしておくことも、賢い投資家になるための戦略の1つとアドバイス。

  • <桐谷さん講演会の関連画像>会場内に設置された「優待展示コーナー」では各社の優待品を紹介

    会場内の「優待展示コーナー」では、各社の優待品を紹介していた。

 続けて、桐谷氏の“本業”ともいえる株主優待については、「株主優待自体も少額投資家向き」とし、株主優待は保有株数によって優待品内容に差が出る場合はあるが、基本的には投資額の大小にかわらず“同じ優待”が受けられると、メリットをアピール。最近では優待品の品揃えも豊富になり、自社製品をはじめ、水や米、ギフトカタログ、どこでも使えるギフト券、QUOカードから、「消費税分が免除になる買い物券もあった」と、多種多様化している優待品の魅力を訴えた。

 「IRフォーラム2014東京」は、企業のコンサルティング事業やIRサイト作成に携わっている株式会社マジカルポケット主催の個人投資家向けイベント。主催の平田代表によると、同イベントへの参加者は昨年よりも増え、若手投資家も増加しているという。会場内には40企業の展示ブースが設置され、企業主催のセミナーのほか、小学校高学年向けのミニセミナーなども開催され、幅広い年代層が投資に関する知識を増やしていた。

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