NISA口座開設“よくあるQ&A”

元手100万円までなら、いくら儲けても、配当をもらっても税金がタダになるNISA(ニーサ/少額投資非課税制度)が、2014年1月からスタートする。NISAを始めるには、まずNISA専用口座を開設する必要がある。口座開設の気になるポイントをチェックしよう。

初心者が気になる13の質問


■基本編
1.NISA口座の開設の流れを教えて?
2.口座開設は誰でもできるの?

■開設方法、手続き編
3.NISA口座申し込みの締め切りは?
4.NISA口座開設に必要な書類は?
5.金融機関によって開設方法は違うの?
6.NISA口座手数料はかかるの?
7.NISA口座はいくつも開設できる?

■こんな時、どうする編
8.証券会社の口座をすでに持っている場合は?
9.上場株式や株式投資信託をNISA口座に移せる?
10.初めて利用する金融機関で口座開設する場合は?
11.引越しをした場合どうすればいいの?
12.銀行から証券会社に口座変更できるの?
13.海外転勤になった場合どうすればいいの?

基本編


【質問1】NISA口座の開設の流れは?

 NISA口座は銀行、証券会社、ゆうちょ銀行で開設が可能。1人につき1口座しか開設できない点に注意しよう。口座を開くには、まずNISA口座をどこの金融機関に開くかを選択。金融機関から申込書(『口座開設申請キット』など名称はさまざま)を取り寄せよう。電話やWEBサイトを通じて請求すれば、自宅に郵送してもらえるので便利だ。

 まず、金融機関から送られてきた「申請書」と「住民票の写し」を金融機関に提出する(図1/STEP1)と、金融機関経由で税務署に申請書が提出される(STEP2)。税務署はそれらを審査し、口座の重複がないことを確認した上で「非課税適用確認書」を交付する(STEP3)。税務署から確認書が交付されれば手続き完了だ。各金融機関はこれを受けてNISA口座を開設する(STEP4)という流れになる。なお、初めてその金融機関に口座を開く場合、NISA口座以外に、一般口座や特定口座などの開設手続きが別途必要になる場合もある。


【質問2】口座開設は誰でもできるの? たとえば、現在19歳の息子名義のNISA口座も作ることができる?

 NISA口座を開設できるのは、開設しようとする年の1月1日時点で20歳以上かつ日本国内に住んでいる人(永住者などの在日外国人も含む)が対象。未成年の場合は、1月1日時点で20歳になった年からNISA口座を開設できるようになる。

開設方法、手続き編


【質問3】2014年1月からスタートとのことだが、申し込みの締め切りはあるの?

 2014年取り引き分のNISA口座開設は、2013年10月1日から2014年9月30日までに税務署で申し込み手続きを完了できればOK。もし、2014年1月からNISA口座で取り引きをしたいのであれば、税務署での手続きに時間がかかる場合があるので、急いだほうがいいかもしれない。2014年分の口座を開設するだけでいいのであれば、それほど急がなくとも、じっくり利用機関を選んでから、年明けに手続きをしても十分間に合う。


【質問4】NISA口座開設に必要な書類は何?

 口座開設の際に必要な書類は、金融機関に申込書を請求した際に受け取る「非課税適用確認申請書兼非課税口座開設届出書」と、2013年1月1日時点の住所が記載されている「住民票の写し」の2つ。

 金融機関から受け取る書類は指示通りに必要事項を記入するだけ。住民票は税務署が同一人物による複数口座の開設を防ぐために使うもので、自分で用意する必要がある。また、「住民票の写し」とはコピーのことではなく、市区町村で交付される原本のことなので間違えないようにしよう。

 なお、2013年内に申し込みをする場合は【2013年1月1日現在の住民票】、2014年になってから申し込みをする場合は【2014年1月1日現在の住民票】となるので注意しよう。
NISA口座開設に必要な書類
(1)非課税適用確認申請書兼非課税口座開設届出書
※金融機関に申込書を請求すると届く

(2)住民票の写し(2013年1月1日の住所が記載されたもの)
※「住民票の写し」はコピーではなく、市区町村で交付された原本

【質問5】銀行と証券会社、郵便局で口座開設の方法に差がある?

 NISA口座を開設する手続きは各金融機関で違いはないが、NISA口座を開設した後にどんな投資商品を購入、利用できるかはそれぞれ違ってくる。

 株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)に投資したい場合は証券会社、給与振込口座などで投資信託を購入したい場合は、銀行やゆうちょ銀行が便利だ。1人1口座しか利用できない制度なので、各金融機関のサービスや商品ラインアップなどを比較して、自分がしたい投資を実現できる金融機関を選ぶことが大切になる。
<表1>証券会社と銀行の主な取引商品

取扱商品

証券会社

銀行

株(上場株式)

外国株(外国上場株式)

△(証券会社によって異なる)

国内ETF(上場投資信託)

海外ETF(上場投資信託)

△(証券会社によって異なる)

REIT(不動産投資信託)

投資信託

※各金融機関によって取り扱い商品が異なる場合や、変更になる可能性もありますので、必ず事前にご確認のうえご利用ください

【質問6】NISA口座には、口座開設手数料や口座維持手数料などはかかるの?

 NISAは国の制度だが、実際のサービスは金融機関から提供される。そのため、取り扱い商品のラインナップや、売買手数料、口座維持手数料などは各金融機関により異なるので、事前確認が必要だ。NISA口座だからといって、特に口座開設手数料や維持手数料を取る、ということはないが、そもそも証券口座に口座維持手数料がかかる金融機関もあるので併せて確認すると安心だろう。また、口座開設の際に必要な住民票を取得するために費用がかかる点も注意しよう。

【質問7】銀行と証券会社、両方にNISA口座を開くことができる?

 NISA口座は、すべての金融機関を通じて「1人1口座」が大原則。金融機関が違うからといって、複数の口座を開くことはできない。重複して申し込みをしても、税務署が開設状況を把握しているので不可能だ。どこで口座を開くのか、金融機関選びは慎重に決める必要がある。

こんな時、どうする編


【質問8】現在、証券会社に口座(特定口座、一般口座)を持っているが、新たに「NISA口座」を開設する必要がある?

 すでに証券会社で口座(特定口座、一般口座)を持っている人でも、新しくNISA口座を開設しなければNISAを利用できない。「非課税適用確認申請書兼非課税口座開設届出書」と「住民票の写し」を証券会社に提出し、別途NISA口座開設の手続きをしよう。

【質問9】現在、特定口座にある上場株式や株式投資信託をNISA口座に移すことができる?

 2014年1月以降にNISA口座を通して、新たに購入した投資商品が非課税の対象になる。つまり、すでに持っている投資商品をNISA口座に移すことはできないということ。手持ちの株式や投資信託を非課税枠に入れたい場合は、それらを一度売却し、再びNISA口座で買い直す必要がある。

【質問10】初めて利用する金融機関の場合、NISA口座だけ開設することはできる?

 NISAをきっかけに、今まで利用したことがない金融機関でNISAの口座開設を考えている人も多いはず。金融機関によっては、NISA口座のほかに下記のような口座を別途一緒に開設する場合もあるので、事前に確認しよう。

【証券会社】
決済用の証券総合口座(MRF口座)と証券投資用の一般口座、または特定口座

【銀行】
決済用の総合口座(普通預金口座)と投資信託口座

【質問11】NISA口座開設には、2013年1月1日現在の住所が記載された住民票が必要とのことだが、8月に引越しをした場合どうすればいい?

 2013年1月2日以降に別の市区町村に移った場合、1月1日時点での住所を証明する必要があるので、その時点で在住していた市区町村で「住民票の徐票」(転居で抹消された登録内容を記載した住民票)を請求。それを住民票の写しの代わりに提出する。同一の市区町村内で引越しをした人は、転居の履歴や日付が記載された住民票を請求し、市区町村で交付されたものを提出する。

【質問12】銀行にNISA口座を申し込んだけど、証券会社に変更できる?

 NISAには新たにNISA口座を設定できる「勘定設定期間」があり、一度口座を開いたら、勘定設定期間中は、他の金融機関に口座を変更したり、開設したりすることができない。勘定設定期間は表2のように3つに分かれており、それぞれの期間で1つの金融機関でのみ口座開設が可能だ。銀行から証券会社など、口座を移したい場合は、次の勘定期間である2018年まで待つしかない。

<表2>NISA口座の勘定設定期間

1回目

2014年1月1日〜2017年12月31日

2回目

2018年1月1日〜2021年12月31日

3回目

2022年1月1日〜2023年12月31日


【質問13】海外転勤になってしまった場合、NISA口座の取り扱いはどうなる?

 NISA口座は日本国内に住んでいる人が対象となる。したがって、海外に住みながら国内のNISA口座を開設、維持することはできない。海外転勤をする際には、非居住者となるため、NISA口座の解約、廃止の手続きをする必要がある。帰国したら、その翌年の1月1日以降から新たに口座開設ができるようになる。

※今回の特集内で紹介している情報やデータは2013年10月現在のものです。変更される場合もありますので、ご注意ください。
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