桐谷さんが教える『NISA(ニーサ)』活用術! 基礎知識から見る“買うべき銘柄”とは

 株主優待生活で話題の“桐谷さん”こと桐谷広人氏が、投資初心者向けて株取引の“イロハ”を指南する連載『教えて桐谷さん「投資のイロハ」』。第3回目は、今年1月から始まった「NISA(ニーサ)」の基礎知識とフル活用できるコツを桐谷さんが解説します。運用開始から半年を迎えた今、制度の内容を再確認して、株主優待のプロ・桐谷流の活用法や“買っておくべき銘柄”の選び方をおさえていきましょう。 
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NISA(ニーサ)の基礎知識から考える「賢い使い方」

 2014年1月からスタートした「NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)」。新制度ということで、投資初心者はもちろん、ベテラン投資家でも「?」となることもまだまだ多いのでは。そこで制度の概要を今一度おさらいしながら、桐谷さんならでは使い方を伺いました。

これだけは覚えておこう「NISA基礎知識」
 「NISA(ニーサ)は、1年間に100万円分までの投資にかかる売買益と配当が、最大5年間、非課税になります。これは、手取りが増えるので、投資家にとってうれしい制度。100万円の非課税枠は2023年までの10年間、毎年追加されます。ただ通常の証券口座と違い、他の口座との損益通算や株式移管はできないので、すでに複数の口座で取引をしている人は注意しましょう」

<表1>NISA口座と証券口座の違い

NISA口座

証券口座(特定・一般口座)

一人一口座

開設できる口座数

制限なし

100万円まで

1年間あたりの投資上限額

制限なし

不可能

他口座との損益通算

可能

不可能

他口座からの株式移管

可能

不要

確定申告

口座の種類や取引状況によっては必要

株主優待付き銘柄もNISAで運用できる
 「NISA口座でも、もちろん優待付き銘柄は運用できます。NISA(ニーサ)は「売買益と配当が非課税になる制度」であり、「株主優待品をもらうこと」とは、直接関係ありません。
 ただし、株主優待銘柄はなるべく長期で保有するのが基本であり、配当も高いに越したことはありません。NISA口座で高配当の優待銘柄を保有すれば、配当金を非課税で受け取り、かつ優待品も手に入るので、メリットは大きいと思いますよ」

「分散投資」がおすすめ
 「非課税枠の上限が年間100万円であるということは、投資額が1単元・50万円など、高い銘柄を選んだ場合は「2単元持てば、それで枠がいっぱい」ということです。適切な投資とはいえないですね。
 そこで、NISA口座では10万円未満などの割安株を複数持って、株価が上がったら売却するといった利用法がオススメです。例えば、年間の投資が80万だった場合、未使用枠を次年に繰り越すことはできませんが、「100万円を使い切らなければいけない」ということでもありません。投資に不慣れな方なら、少額から始められては?」

【NISA口座の賢い利用方法まとめ】
  • <桐谷さん画像>ここがポイント!と指差しをしている、株主優待生活で話題の桐谷さんこと桐谷広人氏

・株主優待付き銘柄なら、売買益&配当が非課税になるうえに優待品がもらえる

・長期で保有するなら、高配当の株主優待銘柄を持ったほうが有利

・少額の分散投資がおすすめ! 株主優待付き銘柄でも、「値がさ株(株価が高い銘柄)」だと100万円の枠があっという間に埋まってしまうので、不向き

・10万円未満などの優待銘柄を複数持って、値上がり時に売却益も享受するのがベター。
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NISA活用のカギを握る“買うべき銘柄”の特長

 NISAは今年から10年間にわたって展開される制度。せっかくなら、今のうちに非課税のメリットを最大限活かして株主優待銘柄を保有したいもの。どんな銘柄を選ぶといいのでしょうか? 

教えて桐谷さん!「NISAをフル活用したい!銘柄選びの“5つの疑問“」

  • <桐谷さん画像>NISA口座で“今買うべき銘柄”を選ぶ、株主優待で話題の桐谷さんこと桐谷広人氏

Q1:最低投資金額の目安は?
「値がさ株を選んではダメですね。30万〜40万円というと、私の中ではもう高すぎます。1銘柄10万円前後を目安にしてみては」

Q2:NISAも分散投資を心掛けた方がいい?
「もちろん分散投資が基本。いくらNISAで非課税だといっても、1単元100万円の銘柄を買って、もし倒産したらそこで終わりです。それなら10万円以下で買える銘柄でリスク分散をしたほうが賢いですよ」

Q3:値上がりしそうな銘柄の特長は?
「実は高配当銘柄には、株価が割安に放置されている銘柄があります。業績がよくなったり、新製品が注目されたりして、一気に値上がりする可能性が高いものは結構多いんです」

Q4:お得な銘柄の特長は?
「やはり高配当+株主優待で総合利回りの高いものですね。たとえば、『TOKAIホールディングス』は最低投資金額3万6000円(売買単位/100株)。その場合、株主優待で1000円分のQUOカード(500円×年2回)と、配当が1株当たり12円あるとすると1200円もらえます。3万6000円の投資で2200円もらえることになり、利回りで換算すると6.1%になります。見逃す手はないですよね」

Q5: NISAで運用する銘柄も優待重視?
「そうとばかりも言えません。例えば、優待内容が良くても、成長性が乏しい企業は、値上がりの可能性が少ない傾向にあります。そんな時、配当が高くない銘柄なら、NISA口座ではなく、通常の証券口座で運用すれば十分。50万円など株価の高い銘柄も、NISA口座にこだわる必要はありません。ケースバイケースですね」


NISA口座開設までの4つのステップと5つの注意点

 NISAを活用した投資をするなら、まずは口座開設が必要! 銀行などでも口座開設はできますが、取り扱い商品量で選ぶなら証券会社、とくに「ネット証券は簡単、便利に取引できる」と桐谷氏もおすすめしています。ネット証券とは店頭で出向かなくても口座開設ができ、日々の取引や銘柄管理もすべてネットでできる、サービスが充実した証券会社のこと。お目当ての株式情報の収集や、保有銘柄の業績チェックなどもツールを使って楽々と調べられます。ネット証券が誕生する以前は、「複数銘柄を運用すると、目が届かなくなる」と言われていましたが、ネット証券を利用すれば分散投資も簡単です。


<桐谷さんが解説! 口座開設〜購入までの流れ&チェックポイント>
下準備:証券口座を開設する
 NISA口座だけを開くことはできません。必ず総合口座とセットで開く必要があります。まずは最低3社くらいのネット証券に総合口座を開いて、比較してみるといいでしょう。総合口座を開設するのは無料ですし、取引で一番利用する「スクリーニング機能」などの使い勝手をよく調べてみてください。
【ココに注意!】
 総合口座はいくつも開設できますが、NISA口座は一人一口座のみ。自分に合う証券会社選びはNISAに限ったことではありませんが、より重要になります。

STEP1:証券会社を選ぼう
 “海外銘柄が強い”、“ノーロード投信が充実している”など、会社ごとの特長をよく理解しましょう。開設する証券会社で迷った場合は、口座開設をしただけでQUOカードがもらえるなど、キャンペーン内容で選ぶのも一つの手です。

STEP2:証券会社から申し込みに必要な書類を受け取ろう
 証券会社でNISA口座を開くためには、まずネットで資料請求をして「口座開設キット」を入手します。書き損じることもあるので、2部請求しておくと安心ですよ。

STEP3:証券会社に書類を送ろう
 書類が届いたら、必要事項を記入します。NISA口座開設の際は、住民票の写しが必要となるので、事前に市区町村の役所で取り寄せを。本人確認資料となる、免許証やパスポートのコピーの用意も必須です。
【ココに注意!】
 NISA口座は、開設までに4週間程度かかります。書類に不備があった場合は差し戻しとなり、口座開設までさらに時間を要することも。投函前に、今一度チェックを!

STEP4:NISA専用口座が開設!商品を購入しよう
 口座が開設できたら、お目当ての銘柄を購入してみましょう。ただし、焦って割高で購入しては身も蓋もありません。“安く買う”、“買えなかったらご縁がないと思って諦める”が私の信条。必ず、売買値を指定する「指値」注文機能を利用して、思い通りの値で買うことも重要です。
【ココに注意!】
 「指値」にこだわり過ぎて、売買タイミングを失って損を出すのは避けたいところ。株式注文は成り行き買いが優先なので、場合によっては「成行」注文に変更しましょう。
“今月の桐谷さん”
 桐谷氏の“イチオシ”株主優待付き銘柄を毎回ご紹介します! 今月末に権利確定を迎える中から桐谷氏が選んだのはこの銘柄!

【三光マーケティングフーズ】
桐谷氏コメント:「東方見聞録」や「月の雫」などの居酒屋チェーンを経営している企業です。株主優待は100株保有すると6000円の株主優待券(3000円×年2回)がもらえます。1度に何枚でも利用できますし、「ぐるなび」などのサービスクーポンや、「ジェフグルメカード」などとも併用できます。他のサービスと併用が可能という場合は意外と少ないので、株主優待券が使いやすく、株主に優しい会社といえます。
■銘柄データ
必要最低投資金額:約10万円/上場市場:東証2部/コード:2762/売買単位:100株/株価:923円(5月27日時点)/配当利回り:1.73%(2014年5月28日)
※株価は該当日終値
注意点:株主優待付き銘柄を買って、優待をもらうためには「権利確定日」に株主名簿に載っていることが大前提。名簿に記載されるまで、中2営業日かかるので、売買は3営業日前の「最終売買日」に済ませておきましょう。

【プロフィール】
桐谷広人(きりたにひろと)
1949年生まれ。広島県出身。元プロ棋士七段で、2007年に引退。その後は、所有する優待銘柄をやりくりして生活費をまかなうという“異色のライフスタイル”と、明るい人柄がテレビなどで取り上げられ話題に。著書に『桐谷さんの株主優待生活』(KADOKAWA角川書店)、『桐谷さんが教える はじめての株主優待』(総合法令出版)、『桐谷さんの株主優待ライフ』(小学館)などがある。4月下旬からガチャガチャアイテム『桐谷さんの株主優待生活 クリーナーストラップ』、5月下旬から『優待生活 桐谷さんのメッセージスタンプ』(ともにタカラトミーアーツ)が販売されている。




※今回の特集内で紹介している株価データや企業情報は2014年6月現在のものです。変更されている場合もありますので、ご注意ください。