住宅ローンの「固定金利」は何で決まる?

 変動金利と比較して利率が高い傾向にある固定金利だが、金利上昇のリスクを抑えて計画的な返済ができる点はメリット。オリコンが今年4月に実施した『住宅ローン 金利タイプアンケート』の調査結果(※調査概要は最下段参照)では、【固定金利期間選択タイプ】と【全期間固定金利タイプ/超長期固定金利タイプ(フラット35を含む)】を合わせて約45%の人が固定金利タイプを選んでいる。では、固定金利の利率はどうやって決まるのだろうか?
 固定金利にはいくつかタイプがある。10年、15年、20年と長期にわたって金利が固定され、消費者のニーズに合わせて期間を選べる「固定金利期間選択型」、住宅ローン返済終了までずっと金利が変わらず、返済計画が立てやすい「全期間固定金利型」、“最初の5年間は固定金利”というように、一定期間(10年までの金融機関が多い)は金利が固定され、期間終了後は固定金利期間を新たに設定、または変動金利に切り替えたりできる「ミックスパターン型」だ。期間が長くなるほど利率は高めに設定され、それぞれ「長期金利」に影響を受けている。

 長期金利とは、償還までの期間が1年を超える債権などに用いられる金利で、長期金利の指標として一般的に利用されているものに「新発10年国債の利回り」がある。つまり、各家庭の「住宅ローン」の利率は、新しく発行される償還期限が10年の日本国債の利回り(投資額に対する利子、配当の率)と関係している。
 変動金利に影響を与える短期金利は、基本的に日本銀行の金融政策で決まるが、長期金利はそれ以上に、中長期的な景気の動向や、将来の物価変動(インフレやデフレ)などについての予測も織り込まれる。

 一般的に好景気のときは物価が上がるため、日銀による金融引き締めが行われ、低迷中なら物価が下がるので金融緩和が行われる。

 国債の価格と利回りもこの金融政策に連動している。景気が好調のときは金融引き締めによって国債の価格を下げ、利回りを上げる傾向にあり、長期金利も連動して上がると予想される。反対に景気が悪い時は金融緩和によって国債の価格を上げ、利回りを下げる傾向にあるため、長期金利も下がっていくことが予想される。

 理論的には、右肩上がりの景気上昇が期待できるのであれば、今の時点で全期間固定タイプを選び、不景気が進むなら固定金利期間選択タイプやミックスパターン型で様子を見る……というのが賢い選択になりそうだが、この判断は専門家にも難しい。期間選択型を選択するにしても、何年ものを選ぶかも考えどころになる。景気の予測は参考程度に、金利タイプの選択は、返済計画をしっかり立てることから始めたい。
【固定金利の決め方の要点まとめ】
・10年以上の固定金利期間選択タイプ、全期間固定金利タイプの金利は、「長期金利」をベースにしている。
・「長期金利」の指標には一般的に「新発10年国債の利回り」が用いられる。国債の利回りが上がれば、長期金利も上がる。
・「長期金利」は基本的に、好景気になると上がり、不景気になると下がる傾向にある。
※【調査概要】
調査テーマ:「顧客満足度の高い住宅ローンランキング」
調査期間:2013年4月9日〜4月14日
調査対象:過去3年以内に住宅ローンを利用開始、もしくは借り換えを行い、かつ住宅ローンを選定する際に選定に関わった20歳以上の男女18,619人
調査エリア:全国

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