2016年03月04日 07時50分

【住宅ローン】FPが解説! 「繰り上げ返済」のメリット&デメリット(2)

繰り上げ返済にはメリットもあればデメリットもある。必ず事前におさえておこう [拡大する]

繰り上げ返済にはメリットもあればデメリットもある。必ず事前におさえておこう

 すでに借りている住宅ローンを見直す場合、主な方法として「繰り上げ返済」と「ローンの借り換え」の2種類がある。「繰り上げ返済」については、「本来支払うべき利息を減らせる」というメリットがあることは前回紹介した(関連記事を参照)。今回はデメリットを確認していこう。

▼手数料がかかるケースが多い

 繰り上げ返済をすると、手数料がかかるケースが多い。ネット銀行の住宅ローンであれば、かからなかったり、店舗型であっても「年に1回」「インターネット経由」などの条件によって無料となる場合もある。だが、こまめに繰り上げようという人は、手数料がいくらになるか事前に確認しておこう。

▼特別控除を受けられなくなる可能性も

 住宅ローンの特別控除を受けている場合は注意が必要。控除を受ける条件には「借入期間が10年以上」という要件がある。当初は受けられたとしても、繰り上げ返済をして借入期間が10年を切ってしまったら、その年から受けられなくなってしまうのだ。

 ちなみに、昨今では1%をきる変動金利型も登場しているが、住宅ローン特別控除は原則として年末借入残高の1%が税額控除(税金から還付)される。もし1%をきる金利で借り入れをしていて、特別控除が残高の1%であるならば、逆ザヤが発生していることになるので注意しよう。

▼計画性をもって行うことが大切

 最近の繰り上げ返済は、金融機関によってネットで簡単に手続きができるので、頻繁に行うことも可能。実際、銀行から送られてくる返済予定表の利息の額を見て「利払いが多いから」と、せっせと少額の繰り上げ返済をする人もいる。だが、繰り上げ返済をするということは、手元の資金が減ることでもある。無理をして必要な資金の分までまわしてしまうことのないよう、計画性をもって行いたい。

 繰り上げ返済に使う資金には、臨時収入やほかの用途の余剰資金などを充て、教育資金や家具、家電、車などの買い替え、リフォームといった大きな支出の予定と見比べるのがオススメ。その際、収入減や災害などのリスクに対応するために、一定の手元資金は確保しておきたい。

 繰り上げ返済は、メリットもあればデメリットもある。家計におけるほかの資金とのバランスを考えて行おう。

<記事/山根裕子(マイアドバイザー登録FP)>
CFP。会計事務所系FP会社で中小企業のオーナーや個人の顧客のお金に関する問題解決の実行支援を展開中。「お金のかかりつけ医」として家族ぐるみの相談相手になることも多い。

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>><前回記事>FPが解説! 「繰り上げ返済」のメリット&デメリット(1)

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