家計にあった金利タイプから返済計画まで、最適なプランとは?
住宅ローン「金利タイプ」のアンケート結果は?
1位 | 変動金利タイプ | 50.0% |
2位 | 固定金利期間選択タイプ | 31.8% |
3位 | 全期間固定金利タイプ/超長期固定金利タイプ(フラット35を含む) | 12.7% |
4位 | ミックスパターンタイプ(固定金利と変動金利を合わせたプラン) | 5.1% |
5位 | その他 | 0.3% |
|金利タイプの簡単な解説
半年ごとに金利が見直されるタイプ。金利は低めに設定されているが、上昇した場合に当初の想定より返済額が増えてしまうリスクも。
■「固定金利期間選択」タイプ
選択した一定の期間で、金利が固定されるタイプ。各消費者のニーズに合わせて期間を選択することができる。一方で、プラン変更の手間や、場合によっては手数料がかかる。
■「全期間固定金利/超長期固定金利」タイプ
返済期間を通して金利が固定されるタイプ。民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携した、35年の固定金利ローン「フラット35」などが代表的。金利変動の影響を受けないため、返済計画を立てやすい反面、金利は比較的高めに設定されている。
■「ミックスパターン」タイプ
借りたお金の半分は10年の固定金利期間選択タイプ、半分は変動金利タイプ……など、複数のプランに分散して返済するタイプ。うまく使えばリスクヘッジになるが、知識が必要。
「変動金利タイプ」を選んだ人が5割!
変動金利タイプの金利は、基本的に固定金利タイプより低め。利率は、一般的に返済期間が1年未満と短い資金貸借に適用される短期金利と連動しており、日銀がこれを低く抑える方針であることからも、月々の支払が少なくて済みそうだと考える人が多いのだと思われます。もっとも、多くの人は単純に金利が低いから、という理由で選んでいるでしょう。
けれど、変動金利と固定金利のどちらがいいかは人それぞれです。
変動金利は返済額が変動するため将来の設計がしづらい面があります。金利が上がった際に返済額も連動して増え、結果として固定金利より多くのお金を支払うことになる……という可能性も少なくありません。金利が上がったときにまとめて繰り上げ返済するだけの資金がない方は、長い目で見れば実は目先の金利が安い変動金利タイプよりも、予定が立てやすく安定した固定金利タイプの方が向いている、ともいえます。
ちなみに、借り入れ金額のランキングでは、「2,000万円以上〜3,000万円未満」との回答が1位(33.1%)。これだけの額ですと、金利や返済期間の違いが支払い総額にして数百万円の差になる可能性も十分にあります。
1位 | 2,000万円以上〜3,000円未満 | 33.1% |
2位 | 1,000万円以上〜2,000万円未満 | 28.0% |
3位 | 3,000万円以上〜4,000万円未満 | 17.2% |
4位 | 500万円以上〜1,000万円未満 | 7.9% |
5位 | 答えたくない | 4.8% |
住宅ローンの返済予定年数は慎重に考えて
1位 | 35年以内 | 40.4% |
2位 | 30年以内 | 12.4% |
3位 | 20年以内 | 12.4% |
4位 | 25年以内 | 11.6% |
5位 | 15年以内 | 10.1% |
6位 | 10年以内 | 9.1% |
7位 | 5年以内 | 3.3% |
8位 | 36年以上 | 0.6% |
また「現在の住宅を購入する際に動機となったものは?(単一回答)」とのアンケートで、「結婚したから」(10.8%)、「子どもが生まれたから」(10.7%)を「子どもが大きくなったから」(15.6%)という回答が上回っていることも、住宅ローンを借りる年齢層が高くなっていることを示しているといえるでしょう。
1位 | 賃貸よりも購入したほうがお得だと思ったから | 32.4% |
2位 | 子どもが大きくなったから | 15.6% |
3位 | 年齢や社会的な理由から | 12.4% |
4位 | 結婚したから | 10.8% |
5位 | 子どもが生まれたから | 10.7% |
6位 | 親と同居することになったから | 3.4% |
7位 | 2世帯住宅にしようと思ったから | 2.3% |
8位 | 子どもが独立したから | 0.5% |
― | その他 | 11.8% |
政府が年金の受給年齢の引き上げも検討していると報じられるなかで、老後の不安は尽きないもの。返済期間については、目先のこと――月々の返済額だけを考えるのではなく、「定年までに完済する」というプランを考えてみることも大切といえるでしょう。
住宅購入に至った理由とは?
まず「住宅を購入した動機」についてのアンケート(複数回答)をチェックしてみると、「賃貸よりも購入したほうがお得だと思ったから」との回答が48.6%で1位になっています。
1位 | 賃貸よりも購入したほうがお得だと思ったから | 48.6% |
2位 | 年齢や社会的な理由から | 25.5% |
3位 | 子どもが大きくなったから | 22.8% |
4位 | 結婚したから | 19.6% |
5位 | 子供が生まれたから | 17.3% |
住宅購入の際には、金融機関選びに注意しよう!
また「借りている/借りていた住宅ローンの満足度」(10点満点評価)のアンケートでは、「会社の信用性」については8点が20.1%で1位になっているものの、「商品の分かりやすさ」の項目では、1位は点数が低めの6点で20.5%となっています。やはり実際のローンに対する理解が進まないまま、なんとなく金融機関を選んでいる方もいるのではないでしょうか。
また、ハウスメーカーの紹介でそのまま決めてしまう例も非常に多くあります。モデルルームで返済のシミュレーションをしてもらって、そのまま契約するというケースです。住宅を購入する上では、手続きしなければいけないことがたくさんあるので、ローンだけに構っていられない、という事情もあるでしょう。全体の事務手続きのなかで、うやむやのまま進んでしまう可能性もあります。これから住宅ローンを組む方は、どの金融機関、金利プランが自分に合っているか、事前にしっかり調べておくことが重要です。
マイホームは“人生で一番大きな買い物”と言われますが、住宅ローンは、日々の買い物や光熱費の節約などが小さく見えるほど、家計に大きなインパクトを与えます。長年の付き合いになるものですし、インターネットなどでしっかり比較して、自分と家族にとってベストな金融機関とプランを選びたいものです。すでに借りている人も、本当に正しい計画が立てられているか不安であれば、専門家に相談することをおすすめします。
株式会社エフピーウーマン代表取締役、ファイナンシャルプランナー(CFPR認定者)。出版社の編集者を経て、2005年4月に女性による女性のためのマネーサロン「(株)エフピーウーマン」を設立。現在、『オレンジページ』での連載をはじめ、雑誌、講演、メディア出演など多方面で活躍中。『一番やさしく株がわかる』(西東社)、『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)などお金の分野での著書は40冊以上に及ぶ。新刊『スマートフォンで5万円ではじめられる! 株取引をマスターする本』が、インプレスジャパンより発売中。
>>ブログ(外部リンク)
調査テーマ:「顧客満足度の高い住宅ローンランキング」
調査期間:2013年4月9日〜4月14日
調査対象:過去3年以内に住宅ローンを利用開始、もしくは借り換えを行い、かつ住宅ローンを選定する際に選定に関わった20歳以上の男女18,619人
調査エリア:全国