住宅ローン固定金利のメリット・デメリット

 借り入れ時に毎月の返済金額&総返済額の上限が決まる「固定金利」。長期間にわたり、高額なお金を借り入れることになる住宅ローンにおいては、金利変動のリスクにさらされることがなく、将来設計や家計管理がしやすいことが大きなメリットとして挙げられる。しかし、その一方では変動金利に比べて、金利が高く設定されているなど、抑えておきたい注意点もある。ここでは住宅ローンで固定金利、その中でも「全期間固定金利タイプ」を選ぶ場合のメリットとデメリットをチェックしていこう。
※「固定金利期間選択タイプ」の場合、今回の特集内容と異なることがあります。ご注意ください。
 近年の日本は「超低金利時代」と言われており、住宅ローンでは固定金利を選ぶのがセオリーとされてきた。これはもちろん、金利が低いうちに全期間の返済額を確定してしまえば、半年ごとに利率を見直す「変動金利」と比較して、今後、金利が上昇したときに損をすることがないためだ。金利に左右されることなく、毎月決まった金額を支払えるので、安心して将来設計やお金の管理ができる。

 また、固定金利に適用される「長期金利」は、基本的に好景気になれば上がり、不景気になれば下がることになる(詳しくは特集「【固定金利編】固定金利はどうやって決まるの?」を参照)。そのため、今後日本が長い不景気からの回復局面に向かい、金利が上昇する可能性が高まるのであれば、住宅ローンでは固定金利は賢い選択になると考えられてきた。

 しかし、特集『住宅ローンはよく考えて−住宅ローンに関するアンケートより』で紹介しているアンケート結果を見ても分かるとおり、最近では「変動金利」を選ぶ人も増えている。では、どのような点が固定金利のデメリットだと考えられるのか? そのポイントを整理してみると、大きく次のようなことが挙げられる。

 
 金利が上がった際に、まとめて繰り上げ返済する資金的な余裕があれば、「変動金利」を選んでも金利上昇のリスクに対応できる、と考える人も少なくないだろう。固定金利の“安定感、安心感”は、最終的な支払い金額をより低く抑えられる可能性を捨てることにもつながるので、その点は留意しておきたい。 

 金利に影響する景気の動向や、将来的に家計にどれだけの余裕ができるかを予測するのはなかなか難しいもの。ここで「固定金利タイプ」に向いている人の傾向を整理しておこう。

【「固定金利」に向いているタイプ】
1)金利を気にせず、安心して将来設計をしたい人
2)収入に対して借入金の比率が高く、急に住宅ローンの返済額が増えると家計が逼迫(ひっぱく)するおそれがある人
3)金利の先行きを予測した「リスク管理」が苦手だと思う人
4)リスクが高めの投資など、資産形成や資産運用にも力を入れているため、住宅ローンの返済額は安定させておきたいと考える人

 住宅ローンの金利タイプは現在の収入や将来設計、自分自身の性格も踏まえて、慎重に選ぶ必要がある。上記は「全期間固定金利パターン」の場合だが、一定期間の金利が固定され、その期間が過ぎたときに、改めて固定金利か変動金利の選択をすることができる「固定金利期間選択型」も視野に入れつつ、じっくり考えたいところだ。

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