2015年04月25日 09時50分

交通事故で「選挙立候補」断念… “慰謝料”は認められるのか?

もし候補者が事故に遭い、立候補を断念したら……慰謝料は認められるor認められない? [拡大する]

もし候補者が事故に遭い、立候補を断念したら……慰謝料は認められるor認められない?

 第18回統一地方選挙(後半戦)の投票があすに迫り、候補者の演説を目にする人も多いのでは? 人通りや交通量の多い場所で活動する候補者は、トラブルに遭遇する可能性も高い。過去には、なんと交通事故に遭い、立候補そのものを断念したケースもある。この場合、慰謝料は認められるのか? 損害賠償額はいくら? 詳しく見ていこう。

<事故内容>
 2007年3月13日朝、神奈川県横浜市で、市議会議員選挙の立候補者が政治活動のため車で駅へ向かっていた。駅前の信号機のない横断歩道にさしかかったとき、歩行者が横断中だったため、前車に続いて停止していたところを後続のタクシーに追突された。原因はタクシーの前方不注視であり、候補者に過失はない。

 事故自体は軽微なものだったが、候補者は頚椎捻挫により、首の痛みがひどく、日常生活が困難になった。そのような状態では街頭演説や徒歩遊説といった選挙活動ができないことから、告示日前日に立候補の断念を余儀なくされた。

<判決>
 裁判では、「追突事故」と「立候補断念」との因果関係が認められた。そのため、ウグイス嬢のキャンセル料や選挙運動用ポスター、選挙事務所設置費用、事務機器レンタル費用など、すでに支払った(あるいは支払う予定のある)損害について賠償請求を認めた。

 立候補を断念したことに対する慰謝料として、候補者は300万円を請求したが、裁判所は「当選したかどうかは不明」などとして、50万円と認定。本件の損害賠償額は、合計で約370万円となっている(2011年12月21日横浜地裁判決)。

 交通事故は、いつ・どんなときに遭遇するかわからない。常に安全確認を怠らず、万が一のための補償はしっかりつけておくことが賢明といえるだろう。

監修/新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

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