2015年06月16日 09時40分
“補償の有無”を事例で紹介! 知れば納得「家族限定」と「年齢限定」の関係性
保険料を抑えられる「運転者限定特約」。”家族限定”と”年齢限定”の関係性を詳しく解説!
これまで複数回にわたって、「自動車保険」の保険料が変わる要素や特約について解説・紹介してきた(関連記事を参照)。前回は、個人契約で保険料を節約するための「運転者限定特約」について解説した。
今回は、「運転者限定特約」の中でも、さらに一歩踏み込んで「家族限定」と「年齢限定」の関係性について、事例を挙げてわかりやすく説明していく。読んで納得の“理解”があるはずなので、ぜひ理解してほしい。
【前回のおさらい】
運転者限定特約(運転者限定割引)は、運転者を限定することで、保険料が割り引かれるもの。「本人型」「夫婦型」「家族型」に3つに分かれている場合が多い。
本人型(運転者本人限定特約)は、運転する人を本人(記名被保険者)のみに限定する特約。同特約のなかでも保険料が一番安く抑えられる。本人以外に運転しない場合に最適だ。
夫婦型(運転者本人・配偶者限定特約)は、運転する人を本人および、その配偶者のみに限定する特約。保険料は、本人型よりも高くなるが、家族型よりも安くなる。本人や配偶者以外が運転しない場合に最適。
家族型(運転者家族限定特約)は、運転する人を本人および、その家族のみに限定する特約。家族限定にすることで、限定外に比べて保険料は割り引かれる。家族以外が運転しない場合にお勧め。
「家族」は以下のいずれかの該当者となる。
・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
・記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子(婚姻歴のある子以外)
※この場合の配偶者には内縁も含まれる
これらを踏まえて、初心者には少し複雑な「家族限定」と「年齢限定」のかかわり方について紹介していく。
【家族設定】
愛知県に住む54歳の男性Bさん。同県で50歳の妻と26歳の娘と同居、20歳の未婚の息子Cは東京の大学で一人暮らしをしている。全員Bさんの車を運転。Cさんも実家に戻ってきたときには同じ車を運転する。
この前提をもとに、年齢条件と家族限定条件についてみていこう。
【事例1】
▼「年齢条件」の設定と「家族限定」をしている場合
Bさんは、同居する家族の運転する人のなかで、最年少である娘の年齢にあわせて、「26歳以上限定」かつ家族限定にしている。20歳のCさんが実家に戻ってきた際に、Bさんの車を運転中に事故を起こしたら、保険は適用されるのだろうか?
・答えは「YES」
Cさんは「記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子」となるため、”家族”に該当する。年齢条件については、同居の家族ではないため対象とはならない(年齢条件の適用範囲については【事例2】を参照)。
【事例2】
▼「年齢条件」を設定していて「家族限定」にしていない場合
前出のようにBさんは年齢条件を「26歳以上限定」にしている。家族限定にしていない場合、Cさんが実家に戻ってきて、Bさんの車を運転中に事故を起こしたら、保険は適用されるのだろうか?
・答えは「YES」
この場合、保険は「適用」される。「26歳以上限定」と年齢条件が設定されているが、Cさんは同居の家族ではないので、年齢条件の対象とはならない。年齢条件の適用範囲は、「同居の家族等」なので、同居していない家族が起こした事故については、Bさんの自動車保険の補償の対象となり、契約内容に基づいて保険金が支払われる。
【事例3】
▼「家族限定」にしている場合
Cさんが夏休みに実家に戻ってきて、Bさんの車を運転中に事故を起こしたら、保険は適用されるのだろうか?
・答えは「YES」
この場合も保険は適用される。別居している未婚の子も「家族」に入るためだ。つまり、別居している未婚の子がたまに帰ってきて運転する場合は、保険条件を変える必要はない。
これは「臨時運転特約」が自動的に付帯されていて、家族以外の運転者が運転した場合は、年齢条件を適用しない。ちなみに、別居の未婚の子は保険適用されるが、別居の既婚の子は保険が適用されない。
注意しなければならないのは、たとえばCさんが22歳になり、就職などで愛知県の実家に戻り、同居することになった場合だ。同居の子は年齢条件が適用されるため、年齢条件を「21歳以上補償」に変更する必要がある。
知れば知るほど奥が深い自動車保険。自分自身や家族を守るため、そして事故を起こした場合には被害者の方への十分な補償をするために、自動車保険の補償内容を今一度確かめておくことをお勧めする。
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