2015年08月18日 09時40分

自動車保険の“プロ”が答える! 被害者になった際に必要な「保険」とは?

事故被害者になった際に役立つ「人身傷害補償保険」とは? [拡大する]

事故被害者になった際に役立つ「人身傷害補償保険」とは?

 自動車保険に詳しいファイナンシャルプランナーの横川由理氏に、保険を選ぶ際に抑えておくべきポイントを“初心者目線”で聞く同特集。前回は、各保険会社で異なる事故時の「初期対応の違い」について紹介した。今回は、被害者になった時に役立つ「人身傷害補償保険」について触れていく。

【Q】
自動車事故だけではなく、歩行中や自転車走行中などの事故や損害賠償責任にも備えたいですが、オススメはありますか?

【A】
「人身傷害補償保険」の無制限をオススメします

 自動車保険に加入する際に、加害者になったらどうしようと心配しても、被害者になったらどうしようと心配する人は少ないようです。とはいえ、歩行中に車の事故に巻き込まれる可能性もあります。その際に、相手が任意保険に加入していなかったらさらに問題となります。

 自身が被害者になるだけでなく、被害者を抱える家族のことも考えなければなりません。仕事ができなくなることもあるでしょう。だからこそ、「自分が被害者になる」ことを考えて、「人身傷害補償保険」をつける必要があります。さらに、人身傷害補償は無制限をオススメします。治療費をはじめ、休業損害や逸失利益、慰謝料など被害者のための手厚い補償があり、いざというときも安心です。

 傷害保険としては、「搭乗者傷害保険」というものもあります。同保険は、ケガの場合に症状に応じてあらかじめ定められた保険金が支払われるものです。死亡の場合は、1000万円が上限となっており、後遺障害が残った場合は、障害状態に応じた保険金が支払われます。人身傷害補償は搭乗者傷害保険と補償が重複するため、両方に加入していると補償が手厚くなりますが、保険料の節約を目指す場合は、人身傷害補償だけで十分だと思います。

 ちなみに、2014年3月末、国土交通省が自動車保険の加入率を公表しました。それによると、全国の保有車両数 8027万台に対し、対人賠償保険の加入は73.4%でした。つまり、4台に1台は事故を起こした場合、自腹で被害者の治療費等を支払うことになります。自賠責保険では、死亡の場合3000万円、後遺症の場合4000万円と上限が定められていますので、それ以上の補償はされません。

 また、自賠責保険の治療費の上限は120万円です。自動車事故では、健康保険は使えないので、症状が深刻な場合はあっという間に120万円に達してしまうでしょう。相手が任意保険に加入していない場合、120万円を超える治療費等は相手からの支払いを期待できないかもしれません。

 被害者にもかかわらず、自分で負担することになってしまい、結局泣き寝入りするケースも多いものです。だからこそ、自分が被害者になることも考えて加入することが大切なのです。対人や対物は事故の相手を守るための補償、「人身傷害補償保険」は自分自身、そして自分の家族を守るための補償と考えるとわかりやすいでしょう。

 なお、自賠責保険の120万円の中には、休業損害や慰謝料も含んでいます。ますます人身傷害保険の必要性を感じるのではないでしょうか。

取材協力:ファイナンシャルプランナー・横川由理
FPエージェンシー代表。 FP資格取得講座をはじめ、マネーセミナー、執筆など幅広く活動。 著書に『保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)、『50歳から役に立つ「お金のマル得術」』(宝島社)、『よい保険・悪い保険2015年版』(宝島社)などがある。
<HP>http://fp-agency.com/

取材・文:寺本亜紀

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>><前回記事>“プロ”が答える! 重視すべき「初期対応の違い」

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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