2015年08月20日 09時50分
追突・炎上で死亡事故 賠償金「1億円超」の理由とは?
約1億1500万円もの高額賠償が命じられた”追突・炎上”死亡事故。その内容を詳しく紹介
警察庁交通局によると、昨年に起きた交通事故で最も多いのは「追突」。その割合は全体の36.2%にのぼっている。過去には、追突により車が炎上し、死亡者が出た事故も発生。原因をつくったドライバーには、約1億1500万円もの高額賠償が命じられた。事故の内容を詳しく紹介しよう。
<事故内容>
2008年6月5日午前、兵庫県神戸市で、赤信号で停止しようとしていた軽乗用車に、危険物を積載した大型トラックが追突。その衝撃で、軽乗用車は前方に停止していた車に追突して炎上した。軽乗用車のドライバーと同乗していた妻が押しつぶされた車内に閉じ込められたまま死亡した。
<判決>
死亡した夫妻の遺族は、トラックの運転者と運送会社を相手取り、約1億8000万円を請求する訴訟を起こした。
判決では、夫妻が死亡したことに対する損害のほか、夫が経営していたため廃業せざるを得なくなったメガネ店の返品不能在庫、店舗の撤去費用などにあたる約450万円の因果関係を認定。トラック運転者に合計約1億1500万円の支払いを命じた(2010年12月16日神戸地裁判決)。
事故時、トラックのドライバーは、衝突の危険を感じながらも「積み荷が倒れると責任を問われる」と考え、ブレーキをかけなかった。このような極めて重大な過失に対し、刑事裁判では禁錮4年の実刑判決が出ているが、その中では「限度額無制限の任意保険による被害弁償が見込まれる」ことが斟酌(しんしゃく)されている。
監修/新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏
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