2015年10月08日 09時50分
子どもの自転車事故に使える!? 意外と知らない「自動車保険」の活用法
自転車など“日常の事故”にも対応できる! 自動車保険の活用法を紹介
子どもは成長に伴って行動範囲が広がり、大人の目の届かないところに行ってしまうこともしばしば。親の心配は尽きないが、近年急増している自転車による事故には特に注意したい。過去には約9000万円の損害賠償命令が出た事故もあるからだ。「ウチは気を付けているから大丈夫」と思っていても、避けられないケースもあるだろう。そこで知っておきたいのが“万が一に対する補償”。今回は、自動車保険を利用して備える方法を紹介する。
■「個人賠償責任保険」を付帯して自転車事故に備える
自転車事故にかかわる保険としては、傷害保険と賠償責任保険が付帯されている『TSマーク(公益財団法人日本交通管理技術協会)』や民間の自転車保険が挙げられる。もちろん、自転車専用の保険に加入すれば安心だが、自動車保険の特約として付帯できる「個人賠償責任保険」でも補償を受けることが可能だ。
個人賠償責任保険では、保険契約者やその家族が他人の物を壊したり、他人にケガを負わせてしまった時など、自動車事故ではなく日常の事故によって損害賠償責任を負った際、保険金が支払われる(仕事上は対象外)。つまり、冒頭にあるような自転車事故を自分の子どもが起こし、相手にケガを負わせて損害賠償請求となった場合でも対応できるのだ。ほかには次のようなシーンでも適用される。
・飼い犬が人を噛んでしまった
・デパートで高額な商品を落として壊してしまった
・マンションの下の階に住んでいる人の家財が水漏れで濡れてしまった など
自動車保険に付帯する個人賠償責任保険では、保険会社による示談交渉のサービスがついていることもある。保険金額は、保険会社によって異なるが、「無制限」もしくは「1億円」を目安にしておくのがおすすめ。補償を手厚くすると保険料が気になるところだが、自動車保険に付帯するなら、賠償金額を高めに設定しても1ヶ月あたり数百円程度で収まることが多い。
昨今の自転車ブームもあり、子どもだけでなく大人が加害者になる可能性も十分ある。個人賠償責任保険は、そのような万が一に備え、少額の保険料で大きな補償を準備できるのがうれしいところだ。実は知らないうちに加入していることもあるので、まずは自分の自動車保険に付帯されているかどうか、確認してみてほしい。
※複数社との契約が重複した場合は、各保険会社で案分した保険金額が支払われる。
【文/江原さとみ】
ファイナンシャル・プランナー。FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。女性がしあわせな人生を選択できるためのマネーセミナー『働く女性の貯蓄術セミナー〜じぶん年金をつくろう〜』は、年金や貯蓄など丁寧かつわかりやすい講義が人気を呼び、受講者は150人を超える。また、コラムの執筆やFP相談業務も積極的に行っている。
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