2015年10月16日 09時50分
車と電車の“踏切事故” 高額賠償危機の事例とは?
踏切事故の再発防止策には、どのようなことが考えられるか?
車両や通行人が電車と衝突・接触し、踏切事故を起こしてしまうと、処理に時間がかかって鉄道会社や利用者に多大な迷惑がかかる。さらに、電車が損傷したり踏切が故障した場合は、一般的に数千万円の損害賠償が発生。過去には1億円以上の支払いを命じられた判例もある。このような事故は是が非でも避けたいところだが、防止策としてはどのようなことが考えられるのか? 過去の事例から紐解いていく。
<事故内容>
タクシーが走行中、踏切に差し掛かった。すでに警報機は鳴っていて、遮断機も降りていたが、運転手が考えごとをしていたためそのまま踏切内に進入。慌てて急停止し、後退しようとしたが、ギアがニュートラル状態であったため、回避できずに電車と衝突、車の前部が破損した。
通常、警報機が鳴り、遮断機も降りている状況で踏切に進入することはまずあり得ない。だが、考えごとをしていて注意散漫の状態だったとしたら、気がつかなかったとしても不思議ではない。
<事故原因・防止策>
この事故の原因として考えられるのは「漫然運転」だ。タクシーの場合、乗車率や走行距離によって売り上げが変動するので、この運転手には「より多くの客を乗せなければ」という焦りがあったことも考えられる。冷静な判断ができていれば、十分回避可能だった。また、踏切での一時停止といった法令遵守を徹底することも、再発防止には有効だ。
今回の事故で、自車の破損だけで済んだのは不幸中の幸い。タイミングが悪ければ、取り返しのつかない結果と高額賠償になっていたかもしれない。とはいえ、自車の修理は必要になったはずだ。このとき適用される車両保険は、加入すれば保険料は高くなるが、タイプを選んだり免責を設定することで抑えることは可能なので、万が一に備えて検討してみるといいだろう。
参照:国土交通省 関東運輸局HP
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