2016年10月20日 09時40分

損保によって見解が違う!? 意外と知らない「対物賠償保険」の基礎

保険に詳しいFPが「対物賠償保険」の基礎について解説する [拡大する]

保険に詳しいFPが「対物賠償保険」の基礎について解説する

 自動車事故には様々な形態があるが、比較的多いのが車同士の接触事故だ。相手への賠償責任が発生した際、使えるのが「対物賠償保険」だが、その補償範囲をきちんと知っているだろうか? 保険の実務に詳しいファイナンシャルプランナー(以下、FP)が、わかりやすく解説する。

▼対物賠償保険とは?

 対物賠償保険とは、事故によって相手の車両や財物に損害を与えた場合に、修理費を支払う保険。金額は修理費または時価額と、過失割合によって決定する。民法709条【不法行為による損害賠償】においては、壊れた時点における時価額を基準とする旨が定められているが、実務上は修理費または時価額のどちらか低い方とされている。

▼直接的な損害に支払われるが例外もある

 対物賠償保険は、修理費など直接的な損害は支払対象となるが、間接的な損害については基本的に支払われない。例えば、事故によって相手が旅行を取りやめたために発生するキャンセル料、レンタカー相手の事故では免責金額などだ。

 ただし、例外も存在する。代車費用がその典型だろう。相手が修理工場に車両を預け、その期間、代車を利用するために費用が発生した場合、対物賠償保険で賄われるケースがあるのだ。

 このような間接的な損害をどこまで認めるかは、保険会社によって見解の分かれるところ。先述のキャンセル料なども、実務上はケースバイケースとなるため、対応力の見せどころといえる。保険会社を選ぶ際は、対物賠償保険でどこまでの範囲をカバーした実績があるのか確認するのもおすすめだ。

<記事/奥田知典(マイアドバイザー登録FP)>
第一勧業銀行(現みずほ銀行)、東京海上日動火災保険、2006年から現在は(有)ekコンサルタント取締役として住宅セミナー講演、工務店経営支援、TV・ラジオ出演やコラム執筆等、幅広いジャンルで活躍中。

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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