2017年06月17日 09時50分

“軽油=軽自動車用”は意外と多い勘違い!? 今さら聞けない「車の燃料」基礎知識

軽油を乗用車に給油すると炎上ことも。燃料にまつわる基礎知識を紹介  [拡大する]

軽油を乗用車に給油すると炎上ことも。燃料にまつわる基礎知識を紹介 

 自動車の燃料の一つであるガソリンは、「レギュラー」と「ハイオク」に分類される。また、ガソリン以外に「軽油」もある。おおよその違いがわかっている人もいれば、実はどれを給油したら良いのかわからない、という人もいるのではないだろうか。一般常識ゆえに人には今さら聞きづらい「燃料の種類」と、それぞれの違いをおさえておこう。

 まず、ガソリン、軽油はいずれも原油をもとに精製される「石油製品」の一種である。ガソリンは主に自動車の燃料に用いられ、軽油はバスやトラックの燃料として用いられる。

 なお、自動車用のガソリンには「レギュラー」「ハイオク」の2種類があるが、これはJIS規格に基づく“オクタン価”によって分類される。ちなみにオクタン価とは、資源エネルギー庁の資料によると「火花着火式エンジン用燃料のアンチノック性を表す尺度」のことで、簡潔に説明すると、オクタン価が高いほど、より効率的にエンジンを回転させることができ、JIS規格ではオクタン価89以上を「レギュラー」、96以上を「ハイオク(プレミアム・ガソリン)」としている。

 一方、「軽油」はディーゼルエンジンの燃料として使用される。稀(まれ)に、その名称から「軽自動車用」の燃料として誤解するドライバーもいるようだが、前述の通り、主にディーゼルエンジンを搭載する大型バスやトラックなどに用いられるものだ。

 ちなみに、ハイオク仕様車に誤って、あるいは燃料節約のため故意にレギュラーガソリンを入れてしまう人がいるが、それを継続すると自動車に不具合を引き起こす可能性があり、避けたほうがいいだろう。また、それこそガソリン車に軽油を入れることは絶対にやってはいけない“NG行為”だ。エンジンに甚大な損傷を与えてしまうばかりか、誤って軽油を給油したことが原因とみられる炎上事故も現実に起こっている。

 JAF発表の過去データによると、全国のドライバーから同社に寄せられる「燃料の給油間違いによる救援依頼件数」が、1ヶ月間で269件発生したという。さらに同社は、ドライバーが入れ間違いに気付かず走行し、路上などでトラブルが起きて救援依頼されるケースも考えられるため、実際の入れ間違いはもっと多いと分析している。

 フルサービスのスタンドの場合は店員が対応するが、セルフスタンドではこうした「誤給油」が起こりがちだ。ただ、給油ノズルにレギュラーやハイオクと大きく表記され、色分けもされているので、未然に防ぐことは十分に可能である。また、最近では軽油のノズルに「軽自動車への給油は行わないでください」との注意喚起表示がなされているスタンドもあるようだ。それだけ誤解する人が多いということなのだろうが、自動車に乗る以上、燃料の種類くらいは“ドライバーの最低限の知識”としておさえておこう。

(前田智行)

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