2017年08月14日 09時30分

個人で支払いは不可能! 「自動車保険」高額賠償金の実態

他人にケガ、死亡、後遺障害を負わせたら… 過去の高額賠償例を確認 [拡大する]

他人にケガ、死亡、後遺障害を負わせたら… 過去の高額賠償例を確認

 ドライバーのなかには「事故の備えは自賠責保険で十分」、と考える人もいる。しかし昨今の交通事故では賠償金は大きくなり、とてもそれではまかないきれないものもある。

■高額賠償の実態

 交通事故で自分の自動車を壊しただけなら、数万円から、最悪でも車両価格の数百万円で済む。それぐらいなら個人でもなんとかなるかもしれない。しかし、他人にケガ、死亡、後遺障害を負わせる、といった事態になると数百万円では済まない。過去の高額賠償例を確認しておきたい。

<高額賠償 認定損害額 過去の事例>
約5億2800万円(41歳・男性・医師・死亡)
約3億9700万円(21歳・男性・大学生・後遺障害)
約3億8200万円(29歳・男性・会社員・後遺障害)

 このように死亡や後遺障害といった重大事故が発生すれば、億を超えることはもはや当然だ。これに対して自賠責保険での備えは次のようになる。

<自賠責保険の補償内容>
傷害120万円
死亡 3000万円
後遺障害 4000万円
※保険金額はいずれも最大

 ご覧いただけばわかる通り、強制加入の自賠責保険ではとてもカバーしきれるものではない。例えば、相手を死亡させて、1億円の損害を負わせてしまったなら残りの7000万円を自賠責保険以外から賠償する必要がある。

■どのように備えるべきか?

 交通事故はいつ、どのようなタイミングで発生するか誰にも予測できない。また、事故によりどのような損害を他人に与えてしまうのか、予測も選択もできない。ドライバーがコントロールできない不測の事態に備えるためにあるのが任意の自動車保険だ。対人賠償を無制限とするのは基本で、それ以外を選択することは実質できない。また、対物賠償も同様に無制限とするのが基本といえる。

 人に重大なケガを負わせてしまえば、個人の備えで対応することはまず不可能。「保険料が高いから」と任意保険への加入を躊躇せず、自動車を運転するなら、絶対に任意の自動車保険に加入しておきたい。

(文/西村有樹)
フリーライター。保険や資産運用などマネー系に強く、「All About」で自動車保険ガイド記事のほか、銀行や保険会社、証券会社などの刊行物、国交省、財務省等官公庁の媒体など幅広く執筆。ほかにも雑誌「プレジデント」「ベストカー」などでも多数の記事を担当する。

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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