2017年11月14日 09時20分

家族から引き継ぐには条件あり 自動車保険“等級”

“等級”家族は引き継ぎ可能だけど条件があるとか そのしくみを紹介する(写真はイメージ) [拡大する]

“等級”家族は引き継ぎ可能だけど条件があるとか そのしくみを紹介する(写真はイメージ)

 任意の自動車保険につきものとなるのが“等級”。この等級は家族で引き継ぐことが可能だ。うまく引き継げれば、割安で保険に加入ができる。そのためには条件があるので紹介する。

■等級を引き継ぐことのメリット

 自動車保険に加入して、保険を使わずに更新すると1等級ずつアップする。スタートは通常6等級で最大20等級(一般的な保険会社の 場合)となる。等級がアップすると割引率が大きくなり、保険料が安くなっていく仕組みだ。

【等級の割引率の例】
・6等級 19%割引
・12等級 48%割引
・20等級 63%割引

 ベテランドライバーが積み重ねた等級を免許取得したばかりの若い家族が引き継ぐことができれば、大きなメリットになることも。例えば、父から子に引き継ぐと次のような見積もりになる。

【等級引き継ぎ 保険料見積もりの例】
父(52歳)20等級 2万5290円
娘(20歳)6等級 14万4430円

父の20等級を娘が引き継ぐと…
娘(20歳)20等級 4万6380円

 割引は諸条件が絡むため、一概に割引率だけで判断できないが、一例として、このように大きな割引効果が期待できる。ちなみにこのケースの父親は最初から保険に入りなおすことになり、その際の保険料は次のようになる。

父(52歳)6等級 4万7740円

 父親の保険料はアップしてしまうが、年齢条件などにより保険料は安いため、トータルで見れば、この場合は等級を引き継いだほうがかなりお得なのだ。

■等級を引き継ぎする際の条件

 かなりメリットのある等級の引き継ぎだが、それには条件がある。まずは等級が引き継げる人は以下となる。

【等級の引き継ぎ可能な人】
・配偶者(内縁関係を含む)
・同居の親族
・配偶者と同居の親族

 基本的に「同居をしている家族である」ことが前提となる。しかし契約者が単身赴任などで別居している場合、配偶者と同居の親族であれば問題なく引き継げる。つまり「母と子供が同居」ならOKだ。

 なお、別居していれば引き継ぎは不可能となるため、若い家族が自動車保険に加入し、就職や結婚により別居する場合など、事前に手続きしておきたい。引き継ぎは同居しているうちに対応するのが鉄則だ。等級の引き継ぎは上記条件に加えて、保険会社も絡む。

【等級引き継ぎ可能な保険の条件】
・同じ保険会社間
・民間の保険会社間
・全労済やJA共済同士、または保険会社間

 一部共済では対応できないので注意しておきたい。なお保険会社をまたぐ場合には解約なども必要となるため、手続きは複雑になる。まずは加入中の保険会社に問い合わせして詳細を確認したい。

(文/西村有樹)
フリーライター。保険や資産運用などマネー系に強く、「All About」で自動車保険ガイド記事のほか、銀行や保険会社、証券会社などの刊行物、国交省、財務省等官公庁の媒体など幅広く執筆。ほかにも雑誌「プレジデント」「ベストカー」などでも多数の記事を担当する。

>>備えあれば憂いなし! 自動車保険満足度ランキング

>>自動車保険の「等級」とは? 初心者ドライバー向けに解説!

自動車保険を比較する

個別or一括見積もり 違いを比較

必要な情報を入力して金額を出す「見積もり」は、契約前に欠かせないものすが、実は個別と一括で大きな違いが。自分に合う形で申し込んでください。

→ パターンで比較!個別見積もりのとり方

→ ユーザーが比較の際に重視した項目

自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。