2018年02月05日 17時30分

細部まで“カワイイ”を追求　女子人気の自動車「ラパン」色とデザインの秘密

女性人気の高い自動車を紹介／写真はスズキ『ラパン』

　従来の自動車といえば、白や黒などのモノトーンカラーや、シャープなデザインのものが多かった。しかし、昨今では、女性ウケを意識したミルキーで優しい色味や、コロンとしたフォルムの車体も増えてきている。各社から登場している車種の紹介とともに、女性にヒットしている「ラパン」を展開している軽自動車大手のスズキに、デザインに隠された秘密を聞いた。

■女性人気「ラパン」のこだわりカラー3色

　話を聞いたスズキの「ラパン」は、ボックス型の車種でありながら、丸みのあるデザインや、スイーツのようなカラーが愛らしく“かわいすぎる”と評判だ。デザインやカラーの起用理由を尋ねてみたところ、「ラパンは、誰もが自然に『あ、好き！』と思えるような気持ち良さ、ぬくもりを感じる心地よさ、そしてオーナーのこだわりや個性を演出できるような車として開発されました」（スズキ広報部、以下略）という。

　特に、ラパンのために作られた3色はとても人気とのことで、一番人気のフォーンベージュメタリックは幅広い年代に好評だそう。「エクステリアカラー（外装）では、ネイルカラーを参考にして女性の肌を美しく見せてくれるヌーディーカラーの『コフレピンクパールメタリック』、フランスの蚤の市で見つけた小さな目覚まし時計をイメージした『フレンチミントパールメタリック』、フランス語でうさぎを意味するラパンの名に相応しく、うさぎの毛色のひとつ“フォーン”を参考に柔らかくてふわふわの毛並を思わせる上品な『フォーンベージュメタリック』の3色をメインカラーにしました」。

■細部にわたるデザインも「カワイイ！」を追求

　また、自分の部屋のようにくつろぐことができ、癒される空間を目指したというインテリアは、北欧家具をイメージしたカウンターテーブルのような木目加飾、ソファのようなシート生地など、こだわりが詰まっている。ディテールにも、かなり力を入れているようだ。「シートに縁取られた2本のパイピングが、装飾におけるこだわりのポイントです。また、天井には柔らかなキルティングが巻かれているような造形も施され、ラパン全体が優しくオーナーを包み込んでくれます」。こうした細部にわたるデザインをひっくるめて、トータルの可愛らしさが人気の秘密のよう。

　なお、ラパン以外にも、カラーデザインが好評の人気モデルがあるとのこと。「ラパンとは真逆の傾向ですが、ハスラーのように元気で楽しい、ワクワクするようなカラーリングも最近の売れ筋と言えます。いままでになかったビビットなカラフルなカラーリングはその後の自動車のカラーに大きな影響を与えています」。

■各社から登場　女性好みのカラーバリエーション

　カラーバリエーションが豊富であったり、柔らかなフォルムであったりと、女性たちの心を掴みそうな自動車は他社かも多々発売している。その一部を紹介する。

・ミラココア（ダイハツ）
　レトロで可愛らしいデザインで、ムースピンクパールやミストブルーなど、ミルキーなカラーが全11色を展開。さらに、アイボリーやブラウン、ピンクベージュといった女性らしい色味のパネルカラーやシートカラーも揃う。ドアも約90度まで開き、ステップとフロアの段差も小さいから、スカートでの乗り降りもしやすい。ボディには、しっかりと衝撃を吸収する衝突安全ボディを採用しているため高い安心感も得られる。

・パッソ（トヨタ）
　柔らかい丸みや流線型のフォルムが魅力のデザイン。ベリーやレモンといったフルーツの名前を配したカラーは、全12色と多種多様。エンジンの燃費性能も高く、ボディの基本を見直すことで、乗り心地や走行性能も向上している。衝突回避支援システム（スマートアシストII）をトヨタとして初設定。安全性能にもこだわっている。グレードによるが、クリーンエアフィルターや除菌イオンが装備できるのも嬉しい。

・MINI（BMW）
　イギリスで誕生したMINI（ミニクーパー）は、クラシック＆モダンな個性的なデザインが目を惹く。ブルー、レッド、オレンジといったビビットなカラーもおしゃれ。新世代クリーン・ディーゼル・エンジンを搭載した「MINI Cooper D」「MINI Cooper SD」が新しく加わり、エネルギーを効率よく変換。発進時の力強い加速感や坂道でもゆとりのある走りを実現する。

　車のデザインやカラーは、乗り心地や愛着度を左右する大切なポイント。多様化するライフスタイルや嗜好性に合ったカラーデザインを作り続けているからこそ、女性人気に結びつくデザインを生み出せるのかもしれない。

（末吉陽子／やじろべえ）

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