意外に高額! 「ETCバー」や「信号機」道路上のモノの“損害賠償金額”

  • 【イラスト】電柱にぶつかるドライバー

 普段、運転をするときに、何度も目にしているであろう「ガードレール」や「ETCバー」、「信号機」といった道路付属物。もしも事故を起こして壊してしまったら、高い賠償金が必要になるものばかりですが、その金額を気に留めているドライバーは多くはないのでは? そこで今回は、よく見かける道路上のモノを5つピックアップ。その賠償金額について見てみましょう。
  • 【画像】ガードレール

 歩道と車道を区別して歩行者を守ったり、橋や路肩に置いて車両の路外逸脱を防いだりと、道路の安全確保に欠かせないガードレール。設置箇所の多さと比例して、事故時に壊されてしまうことも多々ありますが、その際は変形することでエネルギーを吸収し、搭乗者や車両への衝撃を緩和するという役目も果たしています。
 ガードレール本体の価格はというと、2mで約3万円。それほど高額ではありませんが、破損した長さによっては数倍の金額が請求されますし、工事費も加算されます。

 ちなみに、高速道路上のガードレールの場合は強度や特殊な加工が必要になるため、さらに高額になることもあるようです。また、交換工事の際に車線規制をする場合は、警備員の人件費などが加算され、思わぬ賠償額となるケースもあります。
  • 【画像】電柱

 ひとくちに“電柱”といっても、電力会社が所有する「電力柱」、通信会社が所有する「電信柱」、両社共用の「共用柱(共架)」など、いろいろな種類があります。昔は木製の電柱もありましたが、今ではほとんどがコンクリート製です。

 電柱を壊してしまった際、賠償金として必要になるのは、約3万円〜数百万円。電柱そのものの価格はそれほどでもない場合が多いですが、柱上変圧器(トランス)や電線など、電柱に付属する設備も壊してしまった場合は高額になります。

 さらに、工事の際、電柱を倒壊させて電線を切断、また周囲を停電させたりすれば、当然賠償額も莫大なものとなる可能性があります。
  • 【画像】ETCレーン

 高速道路上にあるETCレーンの開閉バーの価格は、1本約6万円。衝突を想定し、バーと車両の双方にダメージがない素材を使用していますが、速度超過などの悪質なケースにおいては損害賠償を請求される可能性が高いようです。
 ちなみに、ETCレーンへの進入速度は時速20km以下とされています。ETC機器側のトラブルなどでバーが開かないケースは少なくないため、万が一、開かなかったときでも安全に停車できる速度が指定されているのです。前車が急停止したときも十分にスピードを落としていれば、追突を避けることが可能です。
  • 【画像】交通標識

 標識といっても、種類もさまざま、大小もさまざまです。路肩に立っている小さな標識を壊してしまった場合の損害賠償金額は10万円程度ということもありますが、交差点で行き先を示す案内標識のように大きなものだと、工事費を含め300〜400万円になることもあるそうです。高速道路にあるような電光式の場合は、1,000万円以上することも。乗用車ではなかなか衝突することはないと思いますが、大型トラックなどではあり得るため、運転時は注意しましょう。
  • 【画像】信号機

 交通事故の約4割は、交差点および交差点付近で発生しています。そのため、信号機を壊してしまうケースも少なくないかもしれません。信号機本体の価格は約120万円からさまざまですが、倒壊などをさせた場合は、本体価格に信号柱の価格や工事費用が加算され、約300万円を超えることもあります。併せて、信号機を制御する装置(制御盤)を破壊してしまうと、さらに約100万円程度加算されるケースもあるようです。

 
 損害賠償金が高額になり得る物損事故。まずは事故を起こさないよう安全運転を心がけること大切ですが、万が一の場合の備えとして、対物賠償保険は無制限に設定しておくと安心ですね。
※記載ケースは一例です。事故の状況によって賠償すべき金額は異なります

法律監修/
新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

制作協力/

株式会社マイト
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