【示談書】ひな形と書き方アドバイス(2)人身事故の場合
しかし、示談書は一生のうちにおそらく何度も作成するものではないため、見慣れない書式に戸惑ってしまうドライバーも多いのではないでしょうか?
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人身事故の示談書作成にあたって重要なのは、「事故内容」と「損害賠償額」の2点です。事故内容とは、事故発生日時、発生場所、当事者の氏名と車両の登録番号、事故態様といった基本的な情報のこと。ちなみに、「事故態様」というのは、事故の発生状況を指します。「○○が右折の際に前方不注意で、○○の車両に側面から衝突し、○○がケガを負った」のように、事故の特定が可能な程度の簡単な内容を記載すればOKです。
また、示談で決まった損害賠償額と、支払期日の記載も忘れずに。さらに後遺症を鑑みた注意書きも添えておくと、トラブルを回避できる可能性が高くなります。
では例として、(乙)所有の車両を(丙)が運転していた際に、横断歩道横断中の(甲)に衝突した傷害事故時のひな形を、弁護士のアドバイスと併せて見ていきましょう。
当事者の区別については、争いがなければ事故証明書の区分に沿って記入すればOKです。ちなみに事故証明書では、過失割合の多い方が「甲」となっています。また、当事者が多い事故であれば、丁・戊・己……と枠を増やす必要があります。
<アドバイス2>
金額を特定。加害側が支払義務を認めることが大切です。
<アドバイス3>
支払方法を定める中で、示談金の支払日を明確に指定しましょう。もし、期限までに支払いがない場合は督促を。それでも支払われなければ、弁護士などの専門家に相談するか、裁判所の利用も検討しましょう。
<アドバイス4>
傷害事故の場合、後遺症が発生するケースがあります。原則的に、示談成立後に発生した損害の請求については、たとえ後遺障害でも容易ではありません。そのため、できれば治療終了後の示談が望ましいですが、そうはいかない場合は、後遺症に伴う損害の取り扱いについて慎重に確認し、発生した場合には追加で損害賠償請求できる旨の断り書きを入れるべきです。その上で後遺障害が発生した場合は、弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。
人身事故に遭ってしまい、当事者間で示談書を作成するときは、先を見据えて様々な可能性を考慮することが大切です。
弁護士法人りべるて・えがりて法律事務所
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