【チューリッヒ保険会社編】公開! コールセンター「事故受付」対応集団
そこで、実際に電話対応に従事している方々にインタビューを敢行。今回は、チューリッヒ保険会社で働く5名にご登場いただきます。
■口調は温和、回答は“濁さない”が信条! 研修で先生も務める“いとティ” 伊藤高さん(31歳)
■“情報の貯蓄と正確さ”を最優先! 学生バイトから続けてきた若きベテラン 岡崎一輝さん(29歳)
■笑顔と冷静さでチームを率いる! 部下からの愛称は“こだってぃー” 古立哲さん(40歳)
■話を引き出す“共感力”を重視! 細やかな配慮でテキパキ対応 鳥山大輔さん(26歳)
■モットーは「お客様の気持ちにたつこと」 中軸を担う“中心選手” 松山大剛さん(41歳)
■口調は温和、回答は“濁さない”が信条! 研修で先生も務める“いとティ”
伊藤高さん(31歳)カスタマーケアセンター調布FNOLチーム/勤続1年9ヶ月
「事故が起きた」というお電話を承る事故受付と、「走行中に自動車が動かなくなった」、「調子が悪くなった」というお電話を承るロードサービスの応答部署に所属しています。新人の研修時には先生として教えることもあります。
私が普段心がけているのは、お客様に濁したような回答はしないということ。わからないことは曖昧にしないで、必ずきちんと調べてから回答するようにしています。あと、難しい言い回しはせずに、できるだけわかりやすい言葉を選んで説明するということですね。
一方で、自分の体調や気持ちの管理です。体の調子が悪かったり、何か嫌なことがあったりするとどうしても声に出てしまうと思うので……。どのようなお仕事でも同じかもしれませんが、日ごろからできる限り体調を整え、ストレスを溜めないように心がけています。
お客様の“イライラ”が“感謝”に変わった貴重な経験
以前、ケガをされたお客様が、病院の公衆電話からお電話をかけてこられました。そこで、まず公衆電話の料金がかかっていることに対するお詫びをし、病院の部屋番号や連絡先を確認。できるだけ迅速な対応をお約束しつつ、不安に思われていることに1つひとつ回答させていただきました。
すると、当初はイライラされていたお客様に最終的には非常に感謝いただいて、お電話を終えることができたんです。このことは強く印象に残っていますね。
■“情報の貯蓄と正確さ”を最優先! 学生バイトから続けてきた若きベテラン
岡崎一輝さん(29歳)カスタマーケアセンター調布FNOLチーム/勤続5年半
お客様からの新規の保険のご契約、内容変更、更新手続きに関するお電話を受けています。最近は事故受付も担当しています。
お客様のお話をちゃんとお聞きすることはもちろん、深い知識を蓄積していくことも心がけています。我々に求められていることの1つは、保険の知識です。そのためにも、わからないことがあったときは周りに聞くだけでなく、聞いたあとに自分で資料を見直して、しっかり把握するようにしています。“聞いただけ”では、身につかないですから。
1つの案件が終わったとき、そのまま終わらせず「もしあれがこうだったら」とイメージをすることも、よくやります。何度も考えることで、また同じような案件が来たときには、冷静に対応ができるようになると思うんですよね。
事故内容を担当者に引き継ぐ仕事 的確な情報伝達がカギ!
事故受付は、お客様を事故担当者に引き継ぐ、ちょうど中間地点の仕事です。なので、担当者から「事故内容が受付時の情報と相違がない」と申し送りがあると、自分はちゃんとお客様のお話を聞けたんだなと、満足できます。「情報がとてもわかりやすく的確だった」と言われたときも、うれしかったですね。
ちなみに、私は小さい頃、車好きの父から「車は凶器にもなる」とずっと聞かされていました。そして同じ言葉を、事故受付の仕事を始めてからも聞いたことがあります。みなさんにも同じ認識を持って、気を付けて運転していただきたいなと思っています。
■笑顔と冷静さでチームを率いる! 部下からの愛称は“こだってぃー”
古立哲さん(40歳)カスタマーケアセンター調布/勤続7年
新規契約、更新、解約、事故受付などの対応をするチーム14名の所属長をしています。スタッフィングなど、人事面のことがメイン業務ですが、かつては電話対応もしていました。
私自身は、できるだけ笑顔でいることが大事だと思っています。なので、チームのみんなに対して叱ることはもちろんありますが、感情的にはならないようにしています。
個人的な意見ですが“人の役に立つ”というのが働く意味なのかなと感じています。“人”というのは、お客様もそうですし、一緒に働いているみなさんも同じ。自分のチームを持つようになってから、自分が相対している社員やスタッフに対して「彼らがお客様なんだ」という認識を持って接しています。みんなの先には実際にお客様がいらっしゃるわけですしね。毎日気持ち良く帰ってほしいという気持ちで接することも、自分のミッションだと強く思っています。
アフターフォローもしっかりと 最後の「ありがとう」が嬉しい
お客様から悪い評価が届いたとき、ご意見をおうかがいするために我々からお電話をすることがあるのですが、最初は怒ってらしても「ありがとう」の言葉で切ってくださる方が多々いらっしゃいます。そういったときは、良かったなと思いますね。
いまの立場になってから、かなりの数のお客様からの苦情に対応していかなければいけないと覚悟していたのですが、この10ヶ月で我々のところまで上がってきた事案は、3件。この数字は、スタッフが初動対応として、お客様のお話にどこまで心をくだいて聞けているかというのが、表れていると感じています。ほんとにびっくりしていますし、正直感動ですね。
■話を引き出す“共感力”を重視! 細やかな配慮でテキパキ対応
鳥山大輔さん(26歳)事故受付業務サポート部/勤続半年
事故を起こしてしまった方、もしくは事故に遭ってしまった方からのお電話を受けて、事故内容を把握し、事故担当者に割り当てるという仕事になります。
普段から、共感をするということは大切にしています。お客様がどういうふうに思っているのかイメージし、不安を取り除いてあげられればと……。ただ、共感しすぎて第三者の目線が持てなくなり、間違った判断をして事故担当者に伝えてもいけません。ですので、共感はしつつ、必ず第三者という立場も忘れずに対応するようにしています。
あとは、お客様のお話を導くことも心がけています。多くの方が、混乱して「何をどう説明すればいいかわからない」、「聞くべきことは何?」という状況で、お電話されてきます。ですのでお客様には、「こういう状況ですか?」とか、思ってらっしゃるであろうことを、こちらから示すなど、お話を引き出すようにしています。
お客様の不安と向き合う仕事 感謝の言葉で成長を感じられる
事故担当ではなく、事故受付の段階で不安を取り除いて差し上げられることはなかなかないのが実情ですが、感謝の言葉をお聞きすると、“その言葉を出せた”ということで、こちらの対応も良かったのかなと思えて、とてもやりがいを感じますね。
よく覚えているのが、この仕事を始めて間もなく、雹(ひょう)によって車が傷つき、車両保険で修理ができるのか不安な思いでお電話でお聞きになられたお客様のことです。そこで車両保険の説明をできる範囲でさせていただいたのですが、何度も「ありがとう」という言葉をいただけました。私のお話の聞き方や、理解度などの成長を少し実感できた気がして、印象に残っています。
■モットーは「お客様の気持ちにたつこと」 中軸を担う“中心選手”
松山大剛さん(41歳)事故受付業務サポート部/勤続5年半
事故受付における、スタッフの対応内容に問題がないかどうかなどの管理を行っています。自分で電話対応をすることもあります。
事故受付は、お客様が接する最初の場所。不安な気持ちでお電話をされてきているので、一旦、落ち着いていただくことが重要です。そういう意味で、電話応対をするスタッフには、1人ひとりのお客様のお気持ちにたって物事を考え、会話をするよう伝えています。
また、お客様に誤解を与えてしまってはいけません。判断に迷った場合は一度保留にしてお時間をいただいても、周りに聞くといった対応をしてほしいと話しています。
“安心の涙”や“お手紙”で、やりがいを再認識
仕事へのやりがいは“お客様からの感謝の言葉”に尽きます。「あなたが事故受付で良かった」と言っていただけたことも、不安ななかで話をして「安心した」と泣かれたお客様のことも、すごく心に残っています。それと、事故受付ののちのアンケートハガキではなく「本当にありがとうございました」と、わざわざお手紙をいただいたこともあります。“お客様のために何ができるのか”、“お客様の立場に立つと何が考えられるのか”を念頭に置きながら仕事をし、結果、このような形で返ってくる……。このために仕事をしているのだと思えた瞬間でした。
5人の方のお話は、もっと似た内容になってしまうかな? と予想していた部分もあったのですが、みなさんそれぞれに様々な考えやエピソードがあり、とても興味深いインタビューとなりました。
ただし、想いの出発点は、みなさん共通。とにかく「お客様を第一に考える」ということを常に念頭に置いている点が伝わってきました。
コールセンターに電話をするような機会がないのがいちばんではありますが、もしも事故に遭い、電話をしなければいけないとなったときは、安心して頼らせてもらおうと思います。