ノートラブルで自動車保険の代理店変更ができるテクニック
そのほか、現在の保険会社から他へ乗り換えをする際や引っ越しなどを理由に保険会社はそのままで代理店を変更したいなど、代理店を変更したいときにはどうすればよいでしょう。このような場合に、ノートラブルで代理店変更ができるテクニックをご紹介します。
<代理店の業務>
・保険契約の締結、媒介(保険会社の特別の指示がある場合)
・保険契約の変更・解除等の受付
・保険料の領収または返還、保管
・保険料領収証の発行・交付、保険証券の交付
・保険の目的の調査
・保険契約の維持・管理(満期管理・満期返戻金に関する業務等)
・保険契約の報告
・保険契約者等からの事故通知の受付、保険会社への報告
・保険金請求手続きの援助
(※一般社団法人 日本損害保険代理業協会HPより)
また、代理店によっては、契約者から事故報告を受けて保険会社に報告したり、契約者に事故対応のアドバイスや問題解決の支援をしたりといった役割も果たしています。近年は、通販型の自動車保険と同様に、代理店型自動車保険でもコールセンターを設ける保険会社が増えてきましたが、基本的に代理店は保険会社と契約者とを結ぶパイプ役といえます。
保険会社と保険代理店、どちらと契約を結んでも保険料は変わりません。また、代理店を変更しても補償内容や条件等が同一であれば保険料は変わりません。ですから、代理店を利用するのであれば良心的で親切なところを選びたいものです。
<専属代理店>
1社の保険会社商品だけを扱う保険代理店。扱う保険会社の商品知識に関する知識が深い。
<乗り合い代理店>
複数の保険会社の保険を扱う保険代理店。保険商品を比較・検討するスキルが高い。
<独立系ファイナンシャルプランナー>
多数の保険からユーザーに最適な保険を提案。ただし、相談料が別途必要。
〜業態は以下のとおり〜
代理店扱:損害保険代理店によって行われる場合
仲立人扱:保険仲立人によって行われる場合
直扱:損害保険会社の役職員によって直接行われる場合
どの業態も、内閣総理大臣の登録を受け、保険会社と代理店委託契約を締結し、保険会社が実施する所定の教育を受けて「保険募集に関する法令や保険契約に関する知識」を習得しています。したがって、保険商品や保険法に関する知識は十分にあるはずです。しかし、現実には担当者によって知識やスキルの水準はさまざまです。さらに、ユーザー寄りの姿勢が強い代理店、保険会社寄りの姿勢が強い代理店など、千差万別というのが現状です。
トラブルに発展しやすいのは「契約期間途中で、保険会社を変えることなく代理店だけ変更したい」というケースです。例えば「担当者の態度が目に余る」「自動車保険に関する知識があまりに少ない」「間違った情報を教える」など、契約中に代理店との信頼関係が崩れたような場合です。
保険契約の途中でも代理店だけ変更することに問題はありません。しかし、保険会社は自社の保険を売ってくれる代理店の保護という観点から、代理店変更には消極的でしょう。そのため、契約期間中の代理店の変更を認めない保険会社もあります。
もちろん契約者としては、「この代理店には問題があるからほかの代理店に変えてくれ」と堂々と主張する権利はあります。ただし、契約を理由に代理店や保険会社がそれに応じない可能性があるということです。このようなことから、深刻なトラブルに進展するリスクもあるでしょう。
現在の自動車保険を解除するのと同時に、別の代理店で今と同じ自動車保険に加入し直すという手もあります。しかし、新規の代理店側に代理店変更の経緯が知られるため、「よその代理店の保険契約を奪うようで嫌だ」と思われるかもしれません。
その点、一度ほかの保険会社を経由するやり方であれば、「自動車保険を、もっと安い通販型の保険に切り替える」といえば、代理店が引き止めるにも限界があります。そして、元の保険に戻す際は「通販型の保険に切り替えてみたが、やはり元の保険がいいと思った」と言えば、再加入できるでしょう。
一番のデメリットは、保険会社を変更する際のノンフリート等級の引き継ぎができないということです。ノンフリート等級は保険会社間で引き継ぐことはできますが、等級アップのためには同一の保険会社で1年以上保険を継続する必要があります。つまり、保険会社を変更した年の等級アップはないということです。
ノンフリート等級について詳しくは、こちらにまとめています
ですが、保険会社によっては「保険期間通算特則」制度を導入している会社もあります。保険期間通算特則は、途中で保険会社を乗り替えたとしても、それまでの契約日数と合算して等級アップを認めるという制度です。現契約の保険解約日と新契約の保険始期日を一致させるなど、さまざまな条件はありますが、等級をアップさせたいのであれば、保険期間通算特則を導入している保険会社を探すのも方法のひとつです。なお、利用する際は新規の契約をする保険会社に相談しましょう。