自動車保険の値上げが続く理由と対処法

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 無事故を続けていれば、自動車保険は常に安くなるものと思っている人も多いのではないでしょうか。基本的にはその通りですが、近年になって、必ずしもそうとは言い切れなくなっています。それは、各保険会社が販売する自動車保険の値上げが続いているからです。しかし、自動車保険はなぜ値上げを続けるのでしょうか。

 ここでは、自動車保険が値上げを続ける背景と理由を解説しています。あわせて、値上げに上手に対処する方法も紹介します。これらを理解すれば、自動車保険を賢く活用できるようになるでしょう。
 自動車保険の値上げで記憶に新しいのが、2015年10月の改定です。保険料が一気に上がり驚いた人も多いのではないでしょうか。この時の改定は、2014年に行われた「参考純率の引き上げ」に基づき行われました。参考純率とは、保険会社が自社の「純保険料率」を算出する時に基礎にするものです。参考純率が引き上げられたのは、2009年以来5年ぶりのことでした。

 ただし、すべての人の自動車保険が値上がりしているわけではありません。契約条件などによっては据え置き、あるいは値下がりしている人もいます。とくに、2015年10月以降は、契約者間の差が大きくなっています。無条件で一律に自動車保険が値上がりしているわけではない点に注意が必要です。どのような人が値上がりし、どのような人が値下がりしているのでしょうか。自動車保険で起きている変化をさらに詳しく見ていきましょう。
 2014年に参考純率が引き上げられた主な理由は2つです。1つは、同年に行われた「消費増税」に対応するため、もう1つは、「増加する保険金支払額」に対応するためです。近年になり、保険金支払いの件数自体は減少していますが、1件あたりの保険金支払額は増加しています。車に使われる技術が高度化しているため、修理に使われる部品代や修理代が高くなっているからです。この2つの理由により悪化した保険会社の収益を改善する目的で、参考純率の引き上げ、ならびに自動車保険の値上げが行われています。

 自動車保険の値上げは、無事故を続けている人も無関係ではありません。参考純率が「純保険料率」部分の基礎になっているからです。「純保険料」とは、保険料のうち保険金の財源になる部分のことです。「保険金の支払いに関係する部分」の値上げなので、無事故でも無関係ではいられません。保険とは、万が一のリスクに契約者みんなで備える共助の仕組みで成り立っているからです。

 では、実際にどのような値上げが行われているのでしょうか。今回の改定では、運転者の年齢に応じた値上げが行われています。特に、値上がり幅が大きいのが事故を起こす確率が高い「29歳以下」「70歳以上」です。各年代において必ず保険料が値上がりするわけではなく、運転者の年齢、加入する自動車保険などによっては、対人賠償保険・対物賠償保険に車両保険を追加することなどで、保険料が値下がりするケースもあるようです。

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 自賠責保険の値上げも続いているので、自動車保険料を負担に感じている人が多いでしょう。そんな人は、自動車保険会社の見直しを行うと良いかもしれません。自動車保険の値上げ率は保険会社により異なります。保険料の安い自動車保険を選べば値上げの影響を抑えることができます。


 保険料を抑えたいは、カーディーラーなどの代理店経由で契約する「代理店型」自動車保険ではなく、ネットなどで保険会社と直接契約する「通販型」自動車保険を選ぶと良いでしょう。保険金の財源とは関係ない、保険会社が営業するための費用(人件費や代理店に支払う手数料など)である付加保険料が安いので、代理店型自動車保険より保険料が安くなることが多いです。

 あるいは、自動車保険の契約内容を見直すこともおすすめです。先ほど紹介した通り、参考純率の改定などにより年齢が保険料に反映されやすくなっています。運転者年齢条件(ドライバーの年齢を制限)を正しく設定すると、保険料が安くなるケースがあります。同様に、運転者限定特約(ドライバーを制限)も正しく設定することが重要です。

運転者限定特約については、こちらに詳しくまとめています

 ドライバーの誰かが誕生日を迎えた、運転していた子どもが独立した、高齢のドライバーが運転しなくなった時などが見直しのタイミングです。それ以外では、車両保険も見直すべきところです。高額な車でも減価償却されていくため、年数が経って古くなると価値が減ります。価値が減ると事故が起きた際に受けられる保険金も減ります。車両保険は車の価値を考慮して付帯する必要があります。

車両保険については、こちらに詳しくまとめています

 ドライバーの条件に変更があるなど特別な理由がない人は、次回更新のタイミングで自動車保険を見直してみてはいかがでしょうか。
 悪化した自動車保険会社の収益を改善するため、2014年に参考純率の引き上げが行われました。この流れを受けて、自動車保険の値上がりが続いています。とくに、事故を起こしやすい「29歳以下」、「70歳以上」の運転者の場合に値上がり幅が大きいとされています。純保険料部分の値上がりが続いているので、無事故の人も無関係ではありません。
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